主催者らによると、今回のコロキウムは「ダリット(カースト制度の最下位に位置する不可触民)の位置づけに関する現代文化・宗教に照らし合わせた批判が行われ、カースト制度と宗教がインド社会科学の主流の議論として反映されていくことが期待される」という。
WCC正義と包括的コミュニティプログラムエグゼクティブのディーナバンドゥ・マンチャラ博士は「不可触民はアイデンティティも存在する場所さえも他者から無視されてしまう。本コロキウムではカースト制度の構造、カースト制度を構成する諸要素について説明し、数十年にわたる積極的な働きかけにもかかわらず、不可触民その他カースト最下層にある人々が残り続けている仕組みを考察する予定である」と述べている。
4日間にわたる本コロキウムには教会指導者、学者、活動家、ジャーナリストら24人ほどが参加する予定である。議題としては、カースト制度廃止、グローバル化された世界で遠隔に追いやられることの意味、今日のインド教会内で不可触民の置かれている苦境、カーストとジェンダー、人権とカースト、インドの美的感覚とメディア表現についてなどが取り上げられる予定であるという。
現在南アジアでは2億5千万人ほどの不可触民が存在していると言われている。先祖代々不可触民と呼ばれる人々は、カースト制度に基づき汚れた存在として社会の遠隔に追いやられている。
WCCでは諸教会に問題を認知させ、国連に問題を訴えかけ、国際的な枠組みで活動をすることで、基本的人権の侵害がなされている不可触民問題対策に取り組んでいる。