西アフリカに位置する旧フランス領コートジボワールは、独立後に親仏政策下で高度経済成長を遂げたが、1990年に入り政情不安となり、2002年に内戦が生じた。2010年の大統領選挙からは二人の大統領を主張する人物らによる政争が続いている。
国際的にはアラサン・ワタラ氏が同国大統領として認識されているものの、2010年12月の大統領選挙の対立候補で、以前から現職であったローラン・バクボ氏も同国大統領を主張している。両者による対立がここ数日間で激化し、暴動で数百人が命を落とし、数万人が強制移住を余儀なくされる状態に追いやられている。
駐留するフランスの平和維持軍(PKF)は、両派の対立による被害拡大を食い止めるために4日、軍事介入を開始した。仏軍がバクボ前大統領派の基地・装甲車や兵舎などを破壊したことが仏国防省より報告されている。仏軍や約1700人体制で軍事介入を行い、一万人を越える現地の在留フランス人を救出するためアビジャン市内の避難所に集合させるなどの活動を行っている。
WEAは現在の紛争状態について、「現在存在する双方の敵対意識を鎮めること」「紛争下の無実の国民らを保護すること」「2010年12月の大統領選挙について、国民の意を反映する政治権力の秩序ある移行を進め、国際社会もその移行を支持していくこと」「大統領選挙以来非人道行為を行っている加害者らが、正義に基づいた行動に立ち返ること」を呼び掛けている。
WEAは世界福音主義キリスト教徒らにコートジボワールが現在困難極める状況下に置かれていることをもって、同国に平和が訪れるように祈ることを求めている。またコートジボワールで内戦の被害者となった住民らに人道支援を行う関連機関を支援するようにも呼びかけている。
WEA代表のジェフ・タニクリフ博士は、「コートジボワールの内戦で危機的な状況に置かれている同国の子どもたちのためにも、この悲劇的な状況に迅速な対応をしていくことを呼び求めています」と述べている。
同国の宗教構成比率は、イスラム教徒30パーセント、キリスト教徒10パーセント、伝統宗教60パーセントとなっている。