【CJC=東京】日本カトリック教会司教協議会会長の池長潤大司教ら4人が12月13日、バチカン(ローマ教皇庁)で教皇ベネディクト16世及び高位聖職者と『新求道共同体』(ネオカテキュメネイト)について討議した。教皇の招請によるもの。共同体が高松に設立した『レデンプトリス・マーテル神学校』が閉鎖されて以来、問題討議は初めてのこと。
池長大司教が米カトリック通信CNSに語ったところでは、討議は2時間近く続き、国務長官タルジチオ・ベルトーネ枢機卿ほか数人の枢機卿も参加した。
会談の内容について同大司教は説明しなかったものの、司教団はなおバチカンや共同体のキコ・アルグエリヨ創設者との討議を必要としている、と言う。「計画を前進させなければならない。慎重にしなければ」と大司教は語った。
米国の共同体ジュセッペ・ジェンナリーニ報道担当はCNS通信に、バチカンが司教側と共同体との間の対話継続のため代表を任命する、と語った。
『新求道共同体』について、高松教区の溝部脩司教と司祭協議会は、共同体メンバーの活動が、日本の小規模なカトリック共同体の一致を破壊するとの懸念から、かねて共同体の神学校閉鎖が必要と表明していた。
司教側の、共同体とその神学校に対する懸念は深刻で、2007年12月の定例の「アドリミナ」訪問直後の08年にも2回、ローマを訪問、当時の司教協議会会長・岡田武夫東京大司教が「深刻な問題」と指摘したものを討議するためバチカン当局と教皇に会見した。
「共同体メンバーのセクト類似の強力な活動は不和をもたらし対立的だ。教会内部に鋭く苦痛な分裂と紛争を引き起こした」と岡田大司教は07年12月の「アドリミナ」訪問の際、教皇に表明した。大司教は教皇に援助を訴え、教皇の介入が「真に必要」と語った。
バチカンは07年と08年に調査を行い、ベルトーネ枢機卿が、神学校を閉鎖、神学生と教授陣の大多数はローマのレデンプトリス・マーテル神学校に移籍するという書簡を発表した。