【CJC=東京】中国のキリスト教の様相が変化する中で、公認の中国基督教協議会の重要性が減少している、とスウェーデン教会(ルーテル派)のアンデルス・ウェイリド総監督が香港でENI通信に語った。同氏はスウェーデン教会訪問団のリーダーとして、11月7〜14日に中国を訪問した。
「私は、中国での成長勢力が諸教会の中にあると見ており、中国基督教協議会は政府との連係の面では重要な地位にある。しかし事態は変わり、同協議会の影響力は減少する可能性がある」と言う。
観測筋は、プロテスタント教会の数と規模が拡大し、それが諸教会の連絡調整機関としての協議会の役割を低めている、と見るようになった。
同協議会は1980年、各地の教会の上部組織として設立された。1966年から始まった文化大革命では信仰生活を表出することは実質的に禁止されていたが、その収束を受けてのことだった。
かつて存在していた教派は1950年代の「大躍進」時代に消滅していた。
同協議会は、各地の教会を支援し、神学教育、聖書・賛美歌などの出版推進のために活動した。今もなお協議会は自身を「教派後」の組織と規定しており、実際にも伝統的な教派とは異なり、特定の職制理解に拘束されてはいない。
公認の協議会の重要性が薄くなるとしたら、中国のプロテスタント教会にとって堅固な神学(教会論)を持つことが重要になる。「国家の規制で一つにされていないなら、教会論という思考が重要になる」とウェイリド氏は言う。
各地の教会が活発になると、「各個教会が完全な教会ではありえない」ことが理解されるべきだ、として「教会が健全に発展するには、特定の監督方式か相互監督方式が必要になる。これは昔ながらの監督制だ」と指摘する。
協議会は、中国のプロテスタントを少なくとも1800万人と推定している。しかしさらに多数のキリスト者が非公認の『家の教会』に属していると見られる。
スウェーデン教会訪問団は8人で構成され、杭州の華東神学院、南京金陵協和神学院、河南省周口の訓練センターなどを訪問した。
訪中の間に人権問題を持ち出すか、との質問に、ウェイリド総監督は「もちろん教会がこれについて意識するよう奨励する。スウェーデンでも欧州ども、人権問題は非常に重要だ」と述べた。
スウェーデン900万人口の75%がスウェーデン教会に属している。同教会はルーテル世界連盟では最大の加盟教会。