【南アフリカ・ケープタウン】ケープタウン2010=第3回ローザンヌ世界宣教会議=への参加を予定していた中国のキリスト教指導者ら約230人が空港で政府当局に出国を阻止された件で、福音主義キリスト教会・団体の代表機関、世界福音同盟(World Evangelical Alliance、以下、WEA)は17日夜(日本時間18日)、「中国からの参加予定者の欠席は非常に残念」との談話を発表した。談話は発表と同時にケープタウン2010の会場でWEA担当者からメディア関係者に配布されたほか、WEAの公式サイトに掲載された。
中国は近年の経済成長以前からキリスト教人口の目覚しい増加で注目を集めている。ケープタウン2010が民族や文化の違いを超えて福音伝道の真価と展望を深く探求するために、中国人クリスチャンの参加が特に重要視されていた。
談話では、各国が独創的な手段で国家の維持管理を行うことが必要だと認める一方で、国の違いを超えた共通価値が存在すると述べ、クリスチャンの敬けんな信仰は、特に社会的、経済的、倫理的に全ての国に良い影響をもたらすと説明した。
また、中国でクリスチャンの信仰の自由に改善が見られると評価し、近年の国家的な発展にクリスチャンが少なからず貢献しているとした。
WEAは、「今回の不参加にかかわらず、中国のクリスチャンは中国と世界全体の繁栄に今後も大きく貢献し、和解と一致の働きを更に幅広い領域で進めていくはずだ」と期待を語った。
中国政府が国内のキリスト教会を外国の教会と交流させたくない理由としては、国外からの資金提供などにより教会が分裂し、政治的に利用されることを警戒しているという見方がある。
WEAは、128カ国4億2千万人の福音主義のクリスチャンを含むキリスト教会と団体の国際ネットワークとして世界最大規模の機関。