【CJC=東京】リビアがかつての宗主国イタリアと友好条約を締結して2周年、事実上の元首ムアンマル・カダフィ大佐がローマを訪問したが、「欧州はイスラム教に改宗すべきだ」と発言して、反発を招いている。
大佐は8月29日、モデル事務所が集めた若い女性500人を前に講演、1人1人にコーランを1冊ずつ渡し、イスラム教を紹介、改宗を呼び掛けたところ、3人の女性が求めに応じたという。
これに対しロジー・ビンディ元保健相は、「イタリア女性の尊厳に対する新しい屈辱的な侵害」と講演を非難した。野党キリスト教中道民主連合のロッコ・ブッティリオーニ議員は、リビアに行って同じことをやったら、無事に帰ってこれないことは確かだ、と批判している。
集会に参加したある女性は、ロイターテレビに対し「リビアでの女性の役割がとても興味深かった」などと話した。
大佐は、昨年のローマ訪問でも同様の集会を開き、メディアなどから批判を受けていた。
イタリアとリビアの関係は2008年の条約締結以来、緊密化している。条約にはイタリアへの不法移民をリビアに送り返す条項が盛り込まれており、それは過酷なリビアの移民政策とあいまって批判の対象とされている。