【CJC=東京】米国で、日曜日に商店が休業しないと礼拝出席にどう影響するか、調査が行われた結果、男性には変化がないが、女性特に白人女性は礼拝出席が少なくなる、ということが分かった。
世俗化したとは言え、米国では日曜日が休息の日であり、教会に通う人も多い。ショッピングに出かけても、休業している店舗もある。では各州で日曜休業を定めていた、いわゆる「ブルーロー」が廃止されたら、日曜日をどう過ごすのか、教会出席と幸福の度合いについて、シカゴのドポール大学とイスラエルのベングリオン大学が共同で調査した。
調査は、ナショナル・オピニオン・リサーチ・センターの『一般社会調査』から女性の習慣を分析したもの。この調査は1972年から2008年までの米国人の性格や動向を調べている。
調査は、日曜日営業禁止が解除されたインジアナ、ミネソタ、ノースダコタ、テネッシー、テキサス、バージニア、バーモントの各州のデータ、また日曜日に教会に行く習慣のあるカトリックとプロテスタントの行動に着目した。
日曜日営業が認められると、白人女性では教会出席率が低下、それは幸福度低下につながる、と調査結果では言えそうだ。。調査で低下したとの回答が17%に達した。
黒人女性にはほとんど変化が見られなかったが、これはサンプル数が少なすぎたので、結果は無視できるとも言える。また男性にとっては、教会出席、ひいては幸福度には影響がないようだ。
ドポール大学のウイリアム・サンダー教授は、「信心深さと幸福の間に相関性があることを人々は知っているが、因果関係があると結論出来るほどではない。「ただ女性には信心深さが幸福度に影響する相関性が強いことを示している」と言う。
日曜日のショッピングがなぜ女性の幸福度を低下させるのか、理由としては、日曜日営業が認められると女性が日曜日にも働かなければならなくなることも挙がった。「日曜日には働きたくないのだ」とサンダー博士。
同博士はさらに、子どもたちの行動が変わることも女性の幸福度低下につながるかも知れない、と指摘する。ショッピングに連れて行ってとねだられるからだ。また10代にとっては危険な誘惑にもかられそうだし、母親にはそれも心配だ。
また単に、教会に行く願いより、それが幸福度が下がっても、ショッピングの魅力に叶わないというだけのことかも知れない、とも見られる。
ベングリオン大学のダニー・コーヘン=ゼイダ教授は、「この30年間で女性の幸福度が低下した大きな要因は、宗教面での関わりが減少したことで説明出来る」という。
『季刊ジャーナル・オブ・エコノミックス』が紹介した調査でも、日曜営業を解禁した州では、教会出席が低下する一方、飲酒や薬物依存が増えていることが分かった。