【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)教理省は、米国の『女子修道女リーダーシップ会議』(LCWR)に教義的調査を開始した。バチカンは昨年12月、全米の女子修道会などの「生活の質」を評価する、と発表していた。
教理省はLCWR関係者に新たに「教義的調査」を行うと2月20日、書簡で通知していた。同省長官のウイリアム・ジョセフ・レヴァダ枢機卿からの書簡をLCWRは3月10日受領した。レヴァダ枢機卿は、その書簡で、初め2001年に最初の教義面での関心を抱いてから調査に着手していたことを明らかにした。
同枢機卿は2005年に教皇ベネディクト十六世によって教理省長官に任命されるまではサンフランシスコ大司教だった。
LCWC幹部は4月2日、1500以上の加盟修道会に調査に関する書簡を送った。LCWCは、米国の修道女6万8000人の95%を擁している。
LCWCは米カトリック専門紙ナショナル・カトリック・レポーターの取材に「この時にLCWRはこの評価の手続きについても、完了時期についても知らされていない。もっと情報が得られるなら、評価に参加するために適切な準備が出来る」と答えている。
バチカンの評価が必要になったのは、レヴァダ枢機卿によると、リーダーシップ会議と教理省との2001年にローマで開かれた会合で、1994年の使徒的書簡「オルディナティオ・サセルドタリス(聖職への叙階について)」、カトリック教会以外のキリスト教共同体は不完全なものとする2000年の教理省宣言「ドミヌス・イエスス」と「同性愛問題」の受け止めについて報告するよう求められてからのもの。