世界最大の聖書アプリ「YouVersion(ユーバージョン)」は2日、2024年に同アプリ上で最も人気のあった「今年の聖句」を発表した。
ブックマーク数やシェア数、ハイライト数などの合計が最も多かった聖句で、今年は、新約聖書のフィリピの信徒への手紙4章6節「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい」だった。
ユーバージョンの創設者で最高責任者(CEO)のボビー・グルーネワルド牧師は、この聖句が今年最も人気を集めたのは、人々が不安な時に神に目を向けるようになった兆候だとしている。
「多くの場合、私たちの不安は、抱える必要のない心配事を抱え続けることから生じます。この聖句が今年人々から最も多く求められたのは、私たちのコミュニティーが祈りの中で神を求め、神に自らの重荷を背負ってもらう選択をしていることを示すものであり、そのことがデータによって裏付けられたのではないかと思います」
ユーバージョンを通じて、祈りに対する関心が高まっていることも報告された。
ユーバージョンには「祈り」の機能があるが、今年は昨年と比較して46パーセントも利用が増えたという。「祈り」の機能では、友人と祈りを共有したり、他者と祈りのセッションを持ったり、他者のために祈ったことを共有したりすることができる。さらに、今年のアプリ内検索で最も多く検索された言葉には、「祈り」や「平和」が含まれていた。
昨年と比較すると、ユーバージョンの利用は、中央アフリカと東アフリカで最も増加しており、子ども用聖書アプリの利用はアフリカ全体で増加した。また、中南米でも順調に増加しており、現在、スペイン語を話す利用者のために、メキシコ市に「地域ハブ」を開設する準備を進めているという。
グルーネワルド牧師は、「世界中のあらゆる地域のユーバージョン利用者が、これほどまでに高いレベルで聖書と関わっているのを見るのは心強いことです。これらの関わり方の傾向は、私たちが直面する苦悩や神への必要という点において、世界中の教会に共通するものを浮き彫りにしています」と話す。
ユーバージョンは、米メガチャーチ「ライフチャーチ」が2008年にリリースした聖書アプリで、シリーズ全体を合計すると、ダウンロード数はこれまでに世界で8億7500万件を超える。
「今年の聖句」は毎年発表されており、昨年は旧約聖書のイザヤ書41章10節「恐れることはない、わたしはあなたと共にいる神。たじろぐな、わたしはあなたの神。勢いを与えてあなたを助け、わたしの救いの右の手であなたを支える」だった。この聖句は、22年、20年、18年も、その年に最も人気のあった聖句として選ばれている。