読みはシリア語話者によって違いはあるが、私がトルコ・イスタンブールのシリアニー教会の教師から聞いて学んだところを記していく。
22の子音シリア文字に西方書体では5つの母音を付けて発音し、意味を理解する。シリア語は右から左へと読み書きする。ちなみに、西方書体の子音と母音記号の書体は、筆者の手書きから生まれたもの(子音の上にドットが2個ある場合は複数形)。
[訳]そしてそのことばはアロホ(神)であった。(ヨハネの福音書1章1節)
[訳]アダム 水(複) 彼は赤ちゃん 彼女は母
[訳]見ておじさん、この魚はこの海からよ。
[訳]マタイさん、この無花果(いちじく)を妹にあげる。
[訳]見てエバさん、エバさんに桃を一つあげる。
[訳]神は愛。
[訳]おじさん(母の兄弟)、彼女の黒板が一つある。
文中の子音文字で、省略して合成する場合がある。次がその一例。
次は、同じ子音文字の配列でも、母音記号によって読みと意味が違うのがあり、もし母音がない場合は前後の文脈で理解を求める。
(続く)
※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)
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