新無神論の申し子として数十年にわたってもてはやされてきた生物学者で、『神は妄想である』の著者であるリチャード・ドーキンス氏が最近、自身は「文化的なクリスチャン」だと語った。
英LBCラジオの番組(英語)でレイチェル・ジョンソン氏のインタビューに応えたドーキンス氏は、英国でクリスチャンを自認する人が減少していることは「喜ばしい」としながらも、キリスト教が他の宗教に取って代わられるとしたら、「本当に恐ろしいこと」だと語った。この歯に衣着せぬ科学者は、イースターの間、英国の一部でラマダン(断食月)の明かりが飾られているのを見て「少しぞっとした」と認め、次のように語った。
「ラマダンが代わりに推進されていると聞いて、少しぞっとしたと言わざるを得ません。われわれは、(英国を)キリスト教国だと感じているのです。統計上、キリスト教を信じる人の数が減っているのは事実だし、それは喜ばしいことですが、例えば、大聖堂や美しい教区教会が全て失われてしまったなら、私はうれしくはありません」
「ですから、私は自分のことを文化的なクリスチャンだと思っています。私たちが(キリスト教を)何か別の宗教に置き換えたとすれば、それは本当に恐ろしいことだと思います」
この発言を受け、英福音派アドボカシー団体「クリスチャンコンサーン」は、X(旧ツイッター)への投稿(英語)で、「ドーキンス氏の口からこのような言葉が出ると、2、3年前に誰が想像できたでしょうか」と述べ、驚きを示した。
また、英キリスト教シンクタンク「テオス」のチーン・マクドナルド最高責任者(CEO)は、英プレミア・クリスチャニティー誌(英語)に次のように寄稿した。
「われわれは、キリスト教を含む全ての宗教の否定を使命とした新無神論の敵意を向けられてから、長い道のりを歩んできました。しかし、ドーキンス氏らがイエス・キリストの過激な愛によって人生がひっくり返された方法について語り始めるまで、私は興奮をとっておきます」
インタビューの後半でドーキンス氏は、キリスト教とイスラム教のどちらかを選ぶとしたら、「どんな時でも」キリスト教を選ぶとし、次のように語った。
「(キリスト教は)イスラム教とは違って、根本的にまともな宗教だと思います。個々のイスラム教徒について言っているのではありません。彼らはもちろん、全く異なります。しかし、イスラム教の教義、ハディース(ムハンマドの言行録)やコーランは、根本的に女性を敵視し、同性愛者を敵視しています。私はキリスト教の信仰を一つも信じていませんが、文化的にはキリスト教の国に住むのが好きなのです」
ドーキンス氏は過去にも、10代でキリスト教を棄教するまでの「ごく普通の英国国教会での生い立ち」について語ったことがある。