世界的に著名な伝道者、故ビリー・グラハム氏の妹であるジーン・グラハム・フォードさんが2月29日、死去した。91歳だった。ジーンさんは、他に3人いたビリー氏のきょうだいの中で最後の存命者だった。
ビリー氏の息子で、ジーンさんにとってはおいに当たる伝道者のフランクリン・グラハム氏は同日、自身のフェイスブック(英語)で、ジーンさんが遺した霊的遺産と主への愛を振り返った。
「ジーン叔母さんは主イエス・キリストが大好きで、家族、教会、そして世界中の神の民の働きを愛していました。彼女は、夫のレイトン・フォード叔父さんと共に、父の伝道活動全体を通じて、いつも父を励ましてくれました。父は生前、多くの問題について彼女に助言を求めていました」
「ジーン叔母さんとレイトン叔父さんは、ホイートン大学で出会いました。レイトン叔父さんは力強い伝道者となり、誠実で愛情深い妻の支えと忠実さに感謝していました。聖書は、称賛に値する敬虔な女性についてこう述べています。『主を畏れる女こそ、たたえられる』(箴言31章30節)」
フランクリン氏は、自身の父であるビリー氏と叔母のジーンさんは親しい絆で結ばれていたが、それは幼少期に形成されたものだと話す。ジーンさんは、米ノースカロライナ州シャーロットの酪農家であったグラハム家で、末っ子である4番目の子として生まれた。
長男のビリー氏より14歳年下だったジーンさんは、ビリー氏のことを「ビリー・フランク」と呼んでいた(編注:ビリー氏の本名は、ウィリアム・フランクリン・グラハム・ジュニアで、「ビリー」はウィリアム、「フランク」はフランクリンの愛称)。
11歳でポリオ(脊髄性小児まひ)にかかるなど、困難な幼少期を過ごしたが、ジーンさんの信仰は揺るがなかった。当時のジーンさんは、子どもながらも自分が天国に行くことを知っていたので、死の可能性をあまり気にしていなかったと話していたとし、フランクリン氏は今もそのことを覚えているという。
「彼女は子ども時代の信仰を回想して、『(イエス・キリストは)私たち家族の一員だった』と言っていました」
「彼女とレイトン叔父さんの長男サンディーさんが、21歳の若さで珍しい心臓病のために亡くなったとき、彼女はその信仰を表しました。サンディーさんの主にある証しは今日まで生き続けていますが、ジーンさんの証しも同じです」
「『主イエス・キリストに人生を委ねることは、時にはとても難しいことですが、私にはそれしか道がないのです。主が約束してくださることへの信頼、私が知っている主への信頼が、私の中に刻み込まれることになったのです』とジーン叔母さんは証ししています。私たちは、多くの人々に影響を与えた彼女の人生に感謝しています」
フランクリン氏は、ジーンさんの後に遺されたレイトンさんと、息子のケビンさん、娘のデビーさんに祈りと哀悼の意を表し、ジーンさんの人生は「良い人生だった」と語った。
ジーンさんのきょうだいは、長男のビリー氏が2018年に99歳で、長女のキャサリン・グラハム・マッケルロイさんが06年に86歳で、次男のメルビン・グラハムさんが03年に78歳で、それぞれ死去している。
ジーンさんは2018年、シャーロットで行われたビリー氏の葬儀でスピーチ(英語)をしている。その中で、ビリー氏の訃報を聞いたとき、賛美歌「Heaven Came Down and Filled My Soul With Glory」を思い出したとし、次のように話していた。
「2月21日、天が降りてきて、兄を私から奪っていきました。いつか天が降りてきて、私を連れて行くでしょう。そして今日、(兄が)私に言ってほしいことは、『天が再び降りてきて、皆さんのことも連れて行く』ということでしょう」