ブラジル北部に国境を接するフランス領ギアナは、南米には珍しく、カトリックよりもプロテスタント信者が多い国で、ヒンズー教徒のインド人もかなり多いのが特徴的だ。フランス海外県で、長年フランスの流刑地として知られ、悪名高い。フランスやEUから高額の補助金が支払われているため、独立の意欲はほとんどないが、独立を望むナショナリズム的な気運のある地域も存在する。
沿岸部は部分的に開発され、内陸部は未開発のジャングルに覆われている。クールーのギアナ宇宙センター(欧州宇宙機関の打ち上げ施設)が主な収入源であり、急速な発展をもたらしている。主な輸出品は、金、エビ、魚、林産物などで、観光業は潜在的な成長産業である。
フランス領ギアナは、犯罪者を収監する場所としてのイメージを払拭して、発展した多文化社会としての新しいイメージを持つようになった。しかしこの変化は、フランスの世俗主義と道徳的な課題ももたらした。多くの若者は職を見つけることができず、落ち着きを失っている。婚外子の割合が高く、ひとり親が多いため、多くの家庭が苦しんでいる。環境破壊、不法移民、金鉱産業への人身売買など、全てが問題を引き起こしているのだ。
このように、課題の多いギアナだが、特にフルゴスペルやアッセンブリー教団などの聖霊派が大きく成長している。これらの活発な教会が、社会問題に取り組みつつ、ヒンズー教徒をはじめ、多くのギアナの人々の救霊のために立ち上がるよう祈っていただきたい。
■ フランス領ギアナの宗教人口
プロテスタント 43・9%
カトリック 12・0%
ヒンズー 30・3%
土着宗教 3・0%
イスラム 9・4%
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