ある夏の日、バイクで三浦半島に行きました。獲れたてのまぐろ丼を食べて、じっと海を見ながら、砂浜や岩場に座って、祈ったり、いろいろなことを考える時間を持ちました。
波の音、カモメの鳴き声、潮風を感じながら心癒やされ、有意義な時間でした。
一つのことを思い出しました。10代の頃、サーフィンをするために、しょっちゅう海に行きました。泳ぎに自信があったので、浮き輪を持たずに泳ぐこともありました。
ある時、急に風が吹き始め、波が荒くなり、浜辺からどんどん遠くに流されてしまいました。心を落ち着かせながら、必死で2時間近く泳ぎ続けて、やっとの思いで浜辺にたどり着くことができました。
この経験から海が怖くなり、長い時間海から遠ざかっていました。
22才の頃、クルーザーヨットに乗りたくて、小型船舶一級の免許を取得しました。しかし、海恐怖症はなくならず、湖でモーターボートに乗ったくらいで、免許を生かしていません。
久しぶりに海に来て、両手を広げて潮風や水しぶきを全身で感じながら「神様〜」とお祈りしていると、海に対する恐怖が少しずつ消えていきました。
18歳の頃、冬になるとスキーがはやっていました。ドラマの「私をスキーに連れてって」、広瀬香美の「ロマンスの神様」などの影響もあって、誰も彼もがゲレンデに足を運び、スキーが大ブレイクしました。私も、友人たちとスキーに行きました。
ある日、苗場スキー場に行きました。うまい人が多く、ゲレンデの斜度がきつく、尻込みして、ついに滑れないまま帰ってしまいました。その日以来、苗場が私の前で巨大な岩山のようにそびえ立ち、苗場コンプレックスになりました。
今は、どんなスキー場でも普通に滑れますが、長いこと苗場コンプレックスから抜けられませんでした。
ある時、「今なら滑れるかもしれない。そうだ、苗場にもう一度行こう!」と思いました。隣のかぐらスキー場から滑り始め、「ドラゴンドラ」に乗って苗場に行きました。
普通に滑れました。「何~だ!?」と思いました。うれしかったですね。その日以来、苗場コンプレックスは消えました。
人生の中で、失敗をしたり、痛い目に遭ったりすると、「再び傷つきたくない」と考え、同じようなシチュエーションを避けることがあるのではないでしょうか。なかなか立ち直れないものです。
夫婦、友人や恋人、学校、職場、地域などの人間関係で、何らかのトラウマやコンプレックスを持っていないでしょうか。かつては失敗しても、今ならできるかもしれません。
聖書に出てくる「モーセ」は、かつてエジプトでけんかの仲裁を買って出て、一方の人を殺してしまいました。結果、荒野に40年間逃亡しました。しかし、もう一度エジプトに戻って来て「出エジプト」を導きました。
モーセは一度大失敗をしています。どのツラ下げてエジプトに戻れるでしょうか。モーセは、目には見えませんが、神と一緒にエジプトに戻りました。「もし神がご一緒でないなら、私たちを上らせないでください」と神に祈りました。
傷が深ければ深いほど、戻るのに時間はかかります。しかし、神と一緒なら、コンプレックスと苦手意識を払拭することができ、過去の傷から解放され、前に向かって前進することができます。
もし、あなたにコンプレックスがあるならば、神と共に、そのコンプレックスになったきっかけの場所に行ってみませんか。
今日も素敵な一日でありますように。
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