子どもの頃、「七つの子」の替え歌がはやりました。オリジナルは、こちらです。
「七つの子」 作詞:野口雨情 作曲:本居長世
からす なぜなくの からすはやまに
かわいいななつの こがあるからよ
かわいい かわいいと からすはなくの
かわいい かわいいと なくんだよ
やまのふるすへ いってみてごらん
まるいめをした いいこだよ
子どもには「からす なぜなくの からすはやまに かわいいななつの こがあるからよ」よりも「カラスの勝手でしょう」の方が分かりやすく、言い得て妙です。志村けんが笑わせるために作った替え歌です。
しかし、大人になり、子どもの親となった今は、親の心情を歌った意味深な歌だと感じます。あの黒く、ガラガラした声で「か~、か~」と鳴く声が「かわいい、かわいい」とは聞こえにくいですが、作詞者である野口雨情さんの思いが込められているようです。
調べてみると「ななつのこ」とは「7羽のカラス」や「7歳の子ガラス」ではなく、野口さんの7歳だった孫娘のことだそうです。野口さんが孫娘のかわいさを思って、カラスも、きっと自分の子を思って「か〜、か〜(かわいい、かわいい)」と鳴いているのだろうと想像したのでしょう。
中学生の修学旅行で京都と奈良に行ったとき、山の草むらでお弁当を食べていると、ちょっと目を離した隙にカラスにおにぎりを持っていかれました。
「ちくしょう、カラスのやつ!」と腹を立てました。その時「カラスの勝手でしょう」を思い出して、自分を納得させたことを思い出します。
カラスがおにぎりを食べたかったので、私の隙をついておにぎりをかっさらっていったのです。カラスとは物を奪う鳥だとしか感じません。
しかし聖書を見ると「カラスが預言者エリヤを養った」と書かれています。これは「カラスの勝手」ではなく「神がカラスに命じられた」からです。
「(ケリテ)川の水を飲まなければならない。わたしは烏(カラス)に、そこであなたを養うように命じた」(1列王記17:4)
神が命じられたら、人から奪うことはしても与えることのないカラスでさえ変えられて、エリヤに食べ物を運んだのです。神様は、人をも変えることがおできになるはずです。
カラスは、人の罪の故に奪う性質を持つようになったのか。それとも最初から、奪う性質を持った鳥として神が造られたか。そのどちらか、あるいは両方だと思います。しかし神は、それを変えることができるし、命じれば、それを従わせることもできるのです。
人は、神に似せて造られました。しかし、罪の故に神との関係が切れて自己中心になり、死ぬべき存在となりました。カラスを変えることができる神は、私やあなたも変えてくださるのです。そこに希望があります。
「カラスの勝手」ではなく「神様が、ご自分がなさりたいようになしてくださる」のです。「風は己が好むところに吹く」と聖書は語ります。風とは、神の霊であり、神ご自身です。この方は愛であり、私を導いてくださっています。
「希望は失望に終わることがない」。神に希望を持って、神に導いていただきましょう。
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