1. 三苫の1ミリ
「サッカー・ワールドカップ・カタール2022」の1次リーグ3試合目の日本対スペイン戦で、日本代表MF三笘(みとま)薫選手がゴールラインを出る寸前のボールに快速で追いつき、ゴール前にいた同MF田中碧選手にクロスボールを出す。このボールを田中がシュートして1点を勝ち取り、強豪スペインに2-1で勝利した。
このゴールラインぎりぎりのプレーは、国際サッカー連盟(FIFA)が証拠の映像(VAR:ビデオ・アシスト・レフェリー)を発表して世界中の注目を集めた。カメラによってはボールの底が明らかにラインの外にはみ出ていたが、VARによるとボールの外側がラインのピッチ1ミリ内に収まっていた。よってルールに従い三苫のクロスボールは有効と判定された。これは、「三苫の1ミリ」という言葉で有名になった。
2. 勝負は紙一重
どんな競争でも接戦になると勝負は紙一重で決まることが多い。1点を争う大学受験、0・1秒を争う短距離走、1駒を争う将棋・・・その決め手は、目標に対する集中力と最後まで諦めない粘り強さである。時には、自分の力の限界を越えて、いわゆる「ゾーン状態」に入ることがある。もはや自分の力ではなく、何か別の力に動かされている状態である。人の目には偶然だと思われるが、体験した本人にとっては必然である。
聖霊に完全に満たされると、「何でもできる」と思える状態に入ることがある。まったく無防備の少年ダビデがたった1個の小石で完全武装の巨人ゴリアテを撃ち倒したときも、ダビデに聖霊が激しく降っていたのである。
3. 極限状況で働く神の力
ある時、4人の仲間と乗用車で北海道を旅行した。その日は朝から肌寒く雪が降りそうだった。途中から山道にさしかかり、「スノータイヤに替えた方がいいんじゃないか」と言ったが、ドライバー席の仲間は、「いや、まだ雪が降る時期じゃないから大丈夫だと思う」とそのまま運転を続けた。私は嫌な予感がして車の中で運転の安全を祈っていた。
案の定、雪が降ってきた。坂を登り切って下り坂になると、さすがの強気の運転手も「危ないからこの辺で停車しよう」と言って急ブレーキを踏んだ。その途端にタイヤがスリップして車が雪道をぐるんぐるんと大きく回転し始めた。
恐怖のあまりみんなワーワー大声で叫ぶ。「主よ、助けてください!」と私は必死で心の中で叫び続けたが、その瞬間、不思議な平安に包まれ、「大丈夫だ、助かる」という気持ちになった。
車は4回、5回と回転して、ついに崖っぷちで止まり、みんなで恐るおそる車外に出た。なんと数百メートルの切り立った崖だった。なんと、崖の縁から前輪の半分がはみ出ているではないか。タイヤが止まるのが1センチずれたら、深い谷底に落ち全員が死亡していた。
「崖に近づいた瞬間、目に見えない大きなマットのようなもので車体が押し戻されたような気がした」と後で運転手が語っていた。「天使が舞い降りてきて車を押し戻してくれたのだ」と私は今でも信じている。
「サムエルは・・・彼に油をそそいだ。この日からのち、主の霊は激しくダビデの上に臨んだ」(1サムエル16:13)
「神はわたしたちの・・・苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる」(詩編46:2)
「主があなたのために天使たちに命じて、あなたの歩むすべての道であなたを守らせられる」(詩編91:11)
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