ペルーでは近年、福音主義プロテスタント教会が目覚ましい成長を遂げている。
これの根は、20世紀になって欧米の宣教師が南米にやってきたことに端を発する。これらの宣教師は、個人の改宗、聖書の読み書き、地域社会への働きかけを重視した新しい福音主義によって地域にアプローチした。彼らは、特に貧困と不平などがまん延していた地方に、教会、学校、社会プログラムを全国的に設立した。
宣教師たちが1世紀にわたってまき続けた種子が、ついに最近20年間で実を結び始めたのだ。運動は勢いを増し、現在では人口の13%が福音派またはプロテスタントであると自認していると推定されるほどだ。
成長は特に首都リマで顕著であり、メガチャーチが出現し、毎週何千人もの礼拝者を集めている。これらの教会は、礼拝、祈り、カウンセリング、社会的プログラムなど、さまざまなサービスを提供し、あらゆる階層の人々のニーズに応えている。
このような成長の理由は、複雑で多面的であるものの、ある学者は、宗教の多様化とグローバル化という大きな流れを反映していると主張し、相互の結びつきが強まる世界で人々が新たな意味と共同体を求めているのだと述べている。また、カトリック教会を含む伝統的な組織が社会的・経済的不平などに対処できなかったことに対する反応であると指摘する学者もいる。
どのような理由であれ、これらの教会の成長は刺激的だ。特に、貧困や暴力、差別によって疎外されてきた人たちに、希望や帰属意識、目的意識を与えているのだ。また、教育、医療、職業訓練を教会員に提供することで、教会は、社会的・経済的な発展を促している。
近年、福音主義の開花が著しい南米宣教の成果の背後にある数世代に及ぶ宣教師たちの辛苦の奉仕という下地を忘れてはいけない。南米およびペルーが、いよいよ福音の祝福に輝くよう祈っていただきたい。
■ ペルーの宗教人口
プロテスタント 14・1%
カトリック 81・7%
ユダヤ教 0・02%