四川省成都市にある「秋雨聖約教会」の有力な指導者の王怡(ワン・イー)牧師は2018年12月9日、突然の家宅捜索により、妻の蒋蓉(ジャン・ロング)夫人や約100人の教会員らと共に逮捕された。
教会はその週、強制的に閉鎖された。ほとんどの教会員はその後釈放されたが、王氏は「国家権力転覆扇動罪」と「違法営業罪」で起訴され、19年12月に有罪となり、懲役9年が言い渡された。彼はこの判決に対して控訴せず、神の主権に信頼してこれを受け止めた。
元法学教授である王氏は、信教の自由を求める運動家でもあり、18年にはキリスト教の信条を表明して署名運動も行った。
逮捕後、釈放された人々は、今もさまざまなレベルの監視下に置かれている。王氏の家族は24時間監視され、息子のジョシュアは、以前はキリスト教の学校に通っていたが、今では監視者が毎日公立学校まで付き添っている。
弾圧以来、教会員の何人かは故郷に送り返され、成都へは出入り禁止となった。また失職や立ち退きを迫られた者もいる。ある長老は5カ月で釈放されたが、勾留中、彼の家族は自宅から立ち退かされ、 彼自身も釈放後、福建省に強制移住させられた。釈放後に食べ物や水を奪われ、虐待を受けた者もある。
秋雨教会が標的にされたのは、説教のネット配信や路傍伝道など、大胆な宣教が目に留まったものと思われる。同教会は生徒数約100人の聖書学校を運営し、小学校も持っていた。市内各所での集会には、毎週800人以上が集まっていた。
王氏については、18年に逮捕されて以来、報道が遮断され、情報がほとんど入ってこなかったが、最近夫人が逮捕以来3年ぶりに獄中の彼を訪問することができた。彼女は、夫は痩せていたが健康で、読書もできると報告した。
家族と教会員は今回の訪問に感謝し「今の私たちには分からなくても、主は暗闇の中でも確かにそのしもべを守っておられることを信じています」と語った。
王牧師の釈放とともに、彼が刑務官や他の囚人たちにキリストの香りと影響を与えて救霊の業がもたらされ、秋雨教会および中国全土で今も続く迫害が1日も早く終わるよう祈ろう。
■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%