毎年11月の第1、第2日曜日は世界福音同盟(WEA)やオープン・ドアーズ、「殉教者の声」(VOM)などの呼びかけにより、迫害下の教会・信者のための国際祈祷日(IDOP)となっている。
現在キリスト者の7人に1人、全体で3億6千万人もの信者が高度な迫害に直面する地域に住んでいる。この数は、一昨年は2億6千万人、昨年3億人以上だったことから、迫害地域の急激な拡大傾向が分かる。
オープン・ドアーズの調べによると、昨年は確認されているものだけでも、信仰の故に5千人以上が殺害された。国際人権協会によると、全世界の宗教的迫害の80パーセントはキリスト教徒に対するものだという。
“アガペの愛” を基礎とするキリストの教えこそは、世界で最も有益な信仰のはずだが、実際はこの信仰が最も憎まれているのだ。これは聖書が言うように、この世が暗闇に属しているためだ。しかしこのことは、特別にわれわれを驚かすものではない。主はあらかじめ、迫害の到来を告げておられたからだ(ヨハ15:18、19、2テモテ3:12)。
今年のIDOPのテーマは「堅く立つ」だ。聖書は言う。「牢につながれている人々を、自分も牢にいる気持ちで思いやりなさい。また、自分も肉体を持っているのですから、虐げられている人々を思いやりなさい」(ヘブル13:3)
キリスト教の歴史は、まさに殉教と迫害の歴史だ。私たちの信仰が、主イエスとその追従者らの流血の末端に手渡されたのであるなら、平和と豊かさを享受しているわれわれは、そこに安穏としていいはずがない。
この週は特に、迫害に苦しむ兄姉や教会のために祈ろう。IDOPの呼びかけ団体が提供するリストも含め、迫害を受けている兄姉や教会、国や地域を課題として挙げる。聖書が教えるように、われわれも親身になって、迫害下の兄姉たちのために祈ろうではないか。