過激派組織のボコ・ハラムが近年台頭して以来、ナイジェリアでは誘拐や殺害を含め、迫害されるキリスト者や教会が後を絶たない。
2018年2月、ボコ・ハラムに誘拐され、信仰のために解放されることを拒んで奴隷とされたレア・シャリブ姉妹(当時14歳)の確かな生存情報が確認されたことを昨年12月17日の課題で伝えた。最新の仏報道では、 ナイジェリアのクリス・ムーサ少将が「軍はまだレア・シャリブの捜索を続けている。レア・シャリブと他のチボクの少女※たち全員が返還され、家族と再会するまで、私たちは決して休まない」と、テレビ放送を通じて語ったという。
また、北部のある村の主婦レベッカは、ボコ・ハラムの襲撃によって夫と息子を失った。ボコ・ハラムが彼女の村を襲撃したとき、レベッカは娘と共に外出先から村に戻る途中だった。村に近づいた彼女は、自動小銃の銃声と家々が焼き討ちされる炎を確認した。惨状に気が付いた彼女はなす術なく、夫と息子が惨殺されるのを村の外から見ているほかなかった。
嵐のような襲撃者たちが去り、嘆き明かした彼女が全て焼失した自宅の焼け跡に見つけたのは、奇跡的に焼け残った1冊の聖書だった。それは彼女と夫の結婚式の日に、記念として贈呈された聖書だった。
焼け残ったその聖書は、主の忠実さを彼女に思い出させ、彼女は今でもそれを使っている。彼女は「私は裸で母の胎から出て来た。また裸でかしこに帰ろう。主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな」(ヨブ記1:21)とある聖句を握りしめ、今日も礼拝をささげている。彼女の全てを奪った襲撃者たちは、決して彼女から信仰を奪うことはできなかった。
ナイジェリア北部のキリスト者に対する攻撃はあまりにも日常化しているため、世界のメディアもほとんど触れない。メディアは彼らの苦しみを無視するが、キリストの体の一部であるわれわれにその選択肢はない。
ナイジェリアの兄姉たちのために、特にレア・シャリブ姉妹の解放とレベッカ姉妹の慰めのために祈ろう。迫害者ボコ・ハラムらが救われ、変えられるよう祈っていただきたい。
※2014年の女学生300人の誘拐事件。いまだ100人近くが消息不明。
■ ナイジェリアの宗教人口
イスラム 45・1%
プロテスタント 37・1%
カトリック 12・1%
土着宗教 3・3%