アムステルダムのキリスト者は何年も前から、街の歴史的中心部にある売春地区の変革のために祈ってきたが、思いもよらない方法で祈りが聞かれた。
組織犯罪から性産業従事者を守るため、オランダでは2000年に売春を合法化した。しかしアムステルダム市長は、これは功を奏さなかったと認め、性産業や薬物目的の観光客ではなく、文化や歴史探訪を目的とする健全な観光客を呼び込む時が来たと判断し、悪名高い赤線地帯を一掃して人身売買を撲滅し、街の健全化を目指した。しかし、年間10億ユーロの利益をもたらす性産業と麻薬産業の受益業者らの反発と抵抗も当然強かった。
ところが、何とこのコロナ禍が引き金となり、売春宿は防疫のために閉鎖を余儀なくされたのだ。その結果7千人の性産業従事者の多くは、東欧や南米へ帰っていった。しかし突然無収入となった女性たちの中には、衣食住のためにキリスト教団体を頼ってきた者もあり、彼女らの中には、性産業から脱却するため、新しい仕事のための再教育を受けた者もあったのだ。
環境保護主義者らの若者たちはレッドライト地区をグリーンライト地区と改名し、市街地を持続的に健全化する計画を開始した。彼らは文字通り緑色灯を導入し、歩道や屋根を緑化したのだ。「ここでできるなら、世界のどこででも可能だ」と彼らは意欲をにじませている。
一連のことは教会主導ではないにせよ、アムステルダムのキリスト者らの長年の祈りの答えだ。かつて改革派神学を世界に誇ったオランダだが、近年は信仰の形骸化が著しい。同国にリバイバルの炎が投じられ、彼らが主に立ち返るよう祈っていただきたい。
■ オランダの宗教人口
プロテスタント 18・3%
カトリック 25・7%
ユダヤ教 0・2%
イスラム 5・5%
無神論 46・9%