米宣教団体のオープンドアーズ(OD)は、キリスト教徒に対する最もひどい迫害国50のリストを1992年以来、毎年発表してきた。北朝鮮は、同団体が調査を開始して以来、ずっと最悪国としてランクされたが、今年は、昨年タリバンが復権し大きな政変に揺れたアフガニスタンが最悪国としてリストされた。今もアフガンの兄姉たちは、タリバンに見つかれば男性なら処刑され、女性や子どもは戦利品として奴隷にされる危険にさらされながら身を潜めて暮らしている。
今回北朝鮮はアフガンに次ぐ迫害国としてランクされたが、これは決して北朝鮮における迫害状況が改善したことを意味しない。むしろ状況は悪くなっているのだが、昨年のアフガニスタンの激変と悪化があまりにも衝撃的に世界に伝わったために、今年は同国に焦点を当てたのだろう。
アフガニスタンから避難してきたある信者は、タリバン以前がベストだったわけではないが、今とは比べものにならないほど良かったと語った。1位のアフガニスタン、2位の北朝鮮に次いで、3位ソマリア、4位リビア、5位がイエメンとなった。
2018年のある調査によると、アフリカ大陸は世界で最もキリスト教徒数が多い大陸となっている。しかし、7位のナイジェリアをはじめ、トップ10にはアフリカの国が4カ国もランクされた。ODの2021年の調査結果によると、3億6千万人のキリスト教徒が、迫害や差別の多い国に住んでいるという。これは世界のキリスト教徒の7人に1人にあたり、アフリカの信者の5人に1人、アジアの5人に2人、ラテンアメリカの15人に1人という割合になる。
ODのスポークスマンによれば、キリスト者への迫害レベルは、過去最高レベルにあるという。彼らの働きとともに、迫害の中、信仰を守り続けている兄姉らと、彼らがなおも力強く神の愛を説くことができるよう祈っていただきたい。
※以下に「ワールド・ウォッチ・リスト」(2022年版)の国々を記す。
- アフガニスタン
- 北朝鮮
- ソマリア
- リビア
- イエメン
- エリトリア
- ナイジェリア
- パキスタン
- イラン
- インド
- サウジアラビア
- ミャンマー
- スーダン
- イラク
- シリア
- モルディブ
- 中国
- カタール
- ベトナム
- エジプト
- ウズベキスタン
- アルジェリア
- モーリタニア
- マリ
- トルクメニスタン
- ラオス
- モロッコ
- インドネシア
- バングラデシュ
- コロンビア
- 中央アフリカ共和国
- ブルキナファソ
- ニジェール
- ブータン
- チュニジア
- オマーン
- キューバ
- エチオピア
- ヨルダン
- コンゴ民主共和国
- モザンビーク
- トルコ
- メキシコ
- カメルーン
- タジキスタン
- ブルネイ
- カザフスタン
- ネパール
- クウェート
- マレーシア