米国の著名な改革派の神学者・聖書学者であるジョン・パイパー氏がこのほど、クリスチャンが自らの「批判しがちな心」に打ち勝つために有効な7つの方法について語った。
ウェブ宣教団体「デザイアリング・ゴッド」を主宰するパイパー氏は6日、自身のポッドキャスト「ジョン牧師に聞いてみよう」(英語)で、アランと名乗るリスナーから次のような質問を受けた。
「批判しがちな心について、聖書は何と言っているのでしょうか。批判しがちな心とは一体何なのでしょうか。高い期待を持つことと、批判しがちな心を持つことは、同じではないと思いますが、高い期待が罪深い裁く心に変わるのはいつでしょうか。また、他人の失敗にばかり目を向けてしまう自分の傾向に、どのようにして立ち向かえばよいのでしょうか」
これに対しパイパー氏は、すべての人が批判的になる傾向があるという前提に立ちつつ、自身の批判しがちな心と戦うために、個人的な経験や聖書を読む中から見つけた7つの方法を紹介した。
1つ目の方法は、自分の欠点を認識すること。パイパー氏は、マタイによる福音書7章から、イエスが集まった群衆に対し、他人ばかりを裁く偽善者にならないよう警告した箇所を示した。同7章3節でイエスは、「あなたは、兄弟の目にあるおが屑(くず)は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか」と語っている。
2つ目は、自分が何から救われているのかを思い出すこと。3つ目は感謝すること、そして4つ目は「愛とは何か、愛がクリスチャンにとってどれほど必要不可欠であるかを考えること」だという。パイパー氏は、次のように強調した。
「ほとんどの人は、コリントの信徒への手紙一13章をすべて暗記すべきだと思います。この章はたった13節しかありませんが、愛に関する聖書中で最も重要な章です。集中して取り組めば、1週間で暗記できます。暗記したら、1年ほど何度も自分にそれを言い聞かせ、どうなるか見てみることです」
5つ目にパイパー氏は、常に批判的であることは本当に益となることなのか、自問するよう勧めた。「イエスは多くの罪について、次のように問うことを良しとされました。つまり、『それは何か良いことをもたらすのか』『そのような姿勢は誰かを助けるものなのか』と」
6つ目は、「自然全体を見ること」、そして「人生観を常日頃から養うこと」。パイパー氏は、人生観について、より心の広い、グローバルで、宇宙的で、すべてを包み、神を中心としたものへと拡張することができると言う。
最後に7つ目として、パイパー氏は、常に賛美に集中することを勧め、リスナーに対し次のように呼び掛けた。
「あなたの頭と心と口を賛美で満たしてください。不機嫌で批判的な不適合者にならないためには、賛美で満たされることです。神と、その創造と救いの業の素晴らしさに目を留め、賛美で満たされてください」
保守派のウェブ宣教サイト「ゴット・クエスチョンズ」(英語)は、批判しがちな心を持つ人を、「不平不満を言いがちで、(半分が満たされた)グラスを半分しかないと見、満たされなかった期待を悲しみ、(自分ではなく他人の)失敗を強く感じ、裁きを下しがちな人」としている。
ゴット・クエスチョンズは、これを克服するためには、「心の状態が極めて重要である」とし、次のように述べている。
「批判的な言葉は、批判的な心から生まれます。そして批判的な心は一般的に、神の恵みを誤解していることから生じます。それはプライドの高さや、神の性格や救いの意味についての情報不足から起こるのです。神から離れた堕落と神の恵みの深さをしっかりと理解してこそ、他の人にも恵みを与えることができるのです。私たちは、神の恵みを理解すればするほど、他の人に対し慈しみ深くなれるのです」