英北部スコットランドのグラスゴーで開かれている国連の気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が失敗すれば、さらに多くの子どもたちが飢餓に直面すると、キリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」が警鐘を鳴らした。
ワールド・ビジョンは8日、気候変動と飢餓のリスクとの関係を調査した報告書(英語)を発表し、43カ国で2千万人の子どもたちが飢餓の危機にさらされており、58万4千人がすでに飢饉(ききん)のような状況で暮らしていると報告。過去5年間のデータから予測すると、2030年までに3億人以上が食糧不安に直面する可能性があるとした。
ワールド・ビジョンのアンドリュー・モーリー総裁は、「世界中の子どもたちが、気候変動の破滅的な影響を日々経験していると訴えています。COP26に参加する世界のリーダーたちは、子どもたちの警告をはっきりと耳にしなければなりません」と強調。「神様から与えられた地球の資源を守るために協力していく中で、気候変動の影響を受けた子どもたちの声に耳を傾け、彼らを解決策の中心的な部分に関与させることを、世界のリーダーたちに強く求めます」と訴えた。
ワールド・ビジョンで外部エンゲージメント・食糧安全保障のディレクターを務めるシェリ・アーノット氏は、「紛争、新型コロナウイルス感染症、気候変動が相互に作用し、新たに悪化する飢餓のホットスポットを生み出しており、貧困から逃れるために各家庭が得てきた利益を喪失させています」と語った。
その上で、「これは子どもたちの危機です。数百万人もの子どもたちが餓死する一歩手前に立たされ、飢饉の脅威に直面しています」と強調。「数百万人もの子どもたちが命を落とす可能性のある人道的飢餓を防ぐために、今すぐ緊急の支援活動が必要です。21世紀に飢饉を発生させることはできません。飢饉は完全に防ぐことができるものなのです」と訴えた。
アーノット氏は、「私たちは、COP26の指導者たちが、今この時こそが世界の最も脆弱(ぜいじゃく)な子どもたちが生きるか死ぬかの明暗を分ける瞬間であると認識することを願い求めます」と述べた。