先月大統領暗殺の事件で取り上げたハイチだが、災難が重なっている。
8月14日にマグニチュード7・2の地震が発生し、22日時点で死者数は2200人を超えている。2010年に首都ポルトープランスを襲ったマグニチュード7・0の地震の時には、20万人以上の死傷者があり、推定損失額は78億ドルに達した。しかしこの時の支援金は、腐敗した行政の横領や着服によって、ほとんどハイチの人々には届かず、地方のインフラ復旧にも効果を上げなかった。
しかし、ハイチのために活動する宣教団体ワールド・コンサーンによれば、今回は地元のリーダーたちが立ち上がってくれたという。不安定な状況が続くものの、彼らが活動している地域の自治体には明るい兆しもあるという。そのため、2010年地震の時のような支援金をめぐる失態は回避されるものと期待したい。
ハイチでは、新型コロナ、自然災害、政治腐敗、そしてギャングの抗争も大きな問題となっているのだが、ありがたいことに、ギャングらはこの地震の混乱を受け、当面の間休戦すると宣言した。これにより首都ポルトープランスから被災地への支援物資の輸送が可能になった。
また航空機を用いた物資の輸送を主に手掛ける航空宣教団(MAF)も、幹線道路の寸断や閉鎖によって救援物資の輸送が困難な場所への救援活動に乗り出している。
今回のハイチの地震は、タリバンによる「カブール陥落」のニュースと重なったため大きく報道されず、世界的な認知度も低い。なかなか先の見えない「ハイチのための祈り」だが、一般的に災害は信仰者の信仰を強め、大きな突破口となる傾向が強い。次々にハイチを襲う国難は、あるいは、ハイチが大きな祝福を受けるための、大いなる神の取り扱いなのかもしれない。
被災している人々に速やかな援助と復興がなされ、この困難を通してハイチに対する神の計画が成就し、大いなる霊的な覚醒になるよう祈っていただきたい。
■ ハイチの宗教人口
カトリック 69・3%
プロテスタント 18・7%
イスラム 0・05%
土着宗教 2・8%