多くのユダヤ人難民を救った外交官・杉原千畝の生涯を描く一人芝居で知られる俳優の水澤心吾(みさわ・しんご)さんが9月19日、朗読劇「愛やさしい嘘」をウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区百人町1-17-8)で上演する。舞台などで活躍する岡田彩里さんと伊勢川乃亜さんが共演する。
定年後、認知症を患った沢田は、介護の支援を受けながら暮らしている。介護ヘルパーの加藤は、沢田の身の回りの世話をしながら、沢田の話を聞いてノートに書き留める「聞き書き」を日課にしている。老いとともに、年々薄れていく記憶だが、生い立ちから思い出した断片を語ることで、記憶が時折鮮明によみがえる。だが、時に思い出したくない忌まわしいこともよみがえり、沢田は発作を起こす。特に沢田の亡き妻への思いは、若気の至りの後悔を募らせた。しかし、「聞き書き」を続けていくうちに、赦(ゆる)しにたどり着く奇跡が起きる。それは優しいうそに包まれた愛だった――。
水澤さんは、NHK朝のテレビ小説、大河ドラマなど、テレビ・映画・舞台を中心に活躍。演者としての苦悩、挫折を経験する中で、クリスチャンであった杉原千畝の影響を受け、自らも信仰を持った。杉原の生涯を描く一人芝居「決断 命のビザ」をライフワークとして演じるほか、最近では信仰者の生涯を描いた朗読劇にも挑戦している。朗読劇のレパートリーはすでに10作品となり、海外での公演も行っている。
本作は水澤さんのオリジナル作品で、「夫婦の愛」がテーマ。水澤さんは、「夫婦が本当の意味で『出会う』とはどういうことかを深く考えさせられる作品です。相手を本当に『想う』とはどういうことか。作品を通して、ただ楽しんでもらうだけでなく、観ていただく方に祝福をお届けしたいという思いでやらせていただきます。ぜひご来場ください」と話している。
入場無料(席上自由献金あり)。開演は午後2時(開場同1時半)。新型コロナウイルスの感染症対策のため、マスク着用、手指洗浄消毒、検温、3密回避座席への協力をお願いしている。問い合わせは、ヴィジョン企画(電話:070・6962・4141)。