米キリスト教世論調査機関「ライフウェイリサーチ」は26日、米国のプロテスタント教会内で陰謀論がどの程度語られていたのかを調査した結果(英語)を発表した。それによると、約5割の牧師が、信者たちが陰謀論を繰り返し語るのを頻繁に聞くと回答した。
調査は昨年9月2日から10月1日にかけて電話とオンラインで行われ、計1007人の牧師から回答を得た。このうち「教会の信者が陰謀論を繰り返し語っているのを頻繁に聞く」ことに同意した牧師は全体の49%に上り、これに同意しなかった牧師は47%だった。
信者が陰謀論を語るのを頻繁に聞くとした49%の牧師のうち、13%はこれに強く同意すると回答。一方、信者が陰謀論を語るのを頻繁に聞かないとした47%のうち、強く否定したのは26%だった。また、5%の牧師は「よく分からない」と回答した。
信者が陰謀論を語るのを頻繁に聞くとした牧師は、礼拝出席者が250人以上の教会で最も多く61%に上った。人種の違いも結果に表れた。白人牧師(50%)の方が黒人牧師(36%)よりも多く、信者が陰謀論を語るのを頻繁に聞くと回答した。
この結果について、ライフウェイリサーチのスコット・マコーネル所長は、「キリスト教会は真理に焦点を当てた場になることを決意した場所です。それなのに、牧師の半数が陰謀に関する思い込みが広がっていることを耳にするのです。これは驚くべき断絶です」と語った。
キリスト教弁証家のメアリー・ジョー・シャープ氏は、教会内で陰謀論が広がることは、クリスチャンに対する否定的なイメージを強め、福音宣教の妨げになる可能性があるとして懸念を示した。
「情報に対する無責任さは、クリスチャンが地域社会の人々に、そしてソーシャルメディアを利用してより広い世界に証しする際の影響力を弱めてしまいます。クリスチャンでない人たちは、クリスチャンが非科学的で反知性的だという文化的に一般化された見方をさらに強めたり、そうだと信じたりするかもしれません」
「クリスチャンは、公共の場でどう生きるかにおいて、常に福音を優先する存在でなければなりません。クリスチャンは神の国の代表者なのです」。シャープ氏はそう言い、対面においても、またソーシャルメディアにおいても、何かを発信する前には「これはイエス・キリストの良き知らせを伝える能力にどのような影響を与えるだろうか」と自問すべきだと語った。