スイス・ジュネーブの裁判所は12月3日、コロナ禍において教会の対面礼拝を禁止することは違法であるとの判断を下した。
スイス当局は11月1日からコロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、欧州で最も厳格な部類に入る宗教集会を禁止する措置を講じていたが、ジュネーブ州憲法会議所は、教会がコロナウイルスのまん延の原因であることを証明できないとして、対面の礼拝を解禁した。
訴訟に当たったスティーブ・アドラー弁護士は「礼拝禁止令は、スイス憲法と国際的な人権基準で“信教の自由”を侵害するものである。また、商業活動よりも宗教団体の活動を不当に対象としている。私たちは、当局が国際法に沿って宗教を実践するすべての人の権利を守る最終的な解決策に合意することを願っており、今回の判決はその第一歩となるもの」と述べた。
非営利団体「自由を守る同盟」のジェニファー・リー弁護士も、判決の意義について「宗教の自由は基本的人権であり、それを制限しようとする政府は、それが本当に必要であり、最小限の対策では足りないことを証明する責任を負う」と述べた。
世界中の至る所で、公衆衛生上の公益と信仰の自由が今後も議論されるだろう。当事者や当局者らに知恵が与えられ、人のではなく、神の最善が図られるよう祈っていただきたい。
■ スイスの宗教人口
プロテスタント 33・4%
カトリック 38・3%
英国教会 0・2%
正教関係 2・1%
イスラム 6・1%
無神論 14・8%