イタリアの最高裁(破棄院)は13日、16年前の交通事故以来継続して意識が戻らない状態にある娘(37)の人工栄養管を外す許可を求めた父親の訴えを認める判決を下した。バチカンやカトリック信者の国会議員らからは「安楽死に道を開く決定だ」と抗議の声が上がっているが、判決は確定した。毎日新聞が伝えた。
原告は、娘が自動車事故で意識不明となってから7年後の99年、国を相手取り地裁で訴訟を起こしたが却下され、その後最高裁まで争い今回の判決が下った。訴状によると、娘の意識が戻る可能性はなく、娘は事故以前「人工的に生きるなら死を選ぶ」と語っていたという。
安楽死を巡っては、宗教的な観点からの意見も含め、その賛否や容認する場合の条件などに関して世界中で議論が交わされている。