今年で31回を数える「聖書朗読マラソン」が現地時間12日午後2時から、米首都ワシントンで始まった。1990年から続く毎年恒例のイベントで、参加者は16日午前10時まで交代しながら聖書を朗読し、90時間で聖書全巻を通読する。
主催団体「シードライン・インターナショナル」(インディアナ州)の創設者キース・デイビッドソン氏によると、当初は今年春の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で、この時期への延期を余儀なくされたという。
また開催場所も、例年は米連邦議会議事堂のウェストテラスで行っているが、11月の米大統領選後に行われる大統領就任式の準備の影響により変更を余儀なくされたという。今年は、米連邦最高裁近くのキャピトルヒル地区にある宣教団体「フェイス・アンド・リバティー」の建物で朗読が行われている。
聖書は、シードライン・インターナショナルの約20人のチーム、また招待されたキリスト教界の著名人らが交代で朗読する。昨年は、ルイ・ゴーマート下院議員(共和党、テキサス州選出)ら約500人が参加した。今年は新型コロナウイルスの影響で、朗読者は約300人となる見込みで、連邦上院議会チャプレンのバリー・ブラック牧師らが参加を予定している。
一方、新しい取り組みとしては、ワシントン以外にいる人もその場で参加できるよう、午前9時から午後9時までの間は、バーチャル朗読のオプションも用意した。バーチャル朗読で参加を計画している人の中には、メキシコや韓国で宣教している宣教師もいる。
今年の朗読者の25パーセントはバーチャル朗読になる見込みだとし、デビッドソン氏は「新型コロナウイルスにより、誰かを排除するということはしたくなかった」と強調した。
米国社会を新型コロナウイルスや人種差別の問題が覆う中、デビッドソン氏は、聖書に目を向けることがこれまで以上に重要だと考えている。
「この朗読は特に今年、私たちの国全体で必要とされています。私たちの国の希望は神の言葉にあると思います。聖書は私たちの土台であり、私たちを存続させ、かつての米国に戻る希望を与えることができると思います」
デビッドソン氏は、来年は例年通り、春に米連邦議会議事堂のウェストテラスで開催できることを期待しているとし、「もちろん、新型コロナウイルスでどうなるかは誰にも分かりません。しかし、状況が可能な限り通常に戻れば、来年(ウェストテラスを)使用する許可は頂いています」と語った。
朗読の様子は、ユーチューブでライブ配信されている。