10月16日の「世界食料デー」に合わせ、毎年全国各地で啓発イベント「世界食料デー大会」を開催してきたハンガーゼロが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、10月と11月を「世界食料デー月間」として募金への協力を呼び掛ける。コロナの影響で、アフリカでは食料問題がさらに深刻化しており、昨年集まった金額を上回る目標を掲げ、協力を求める。
ハンガーゼロによると、昨年は全国で28のイベントが開催され、1300万円を超える寄付金が集まった。今年の目標額は、それを上回る1500万円。これまで掲げてきた飢餓と貧困の撲滅に加え、コロナの影響で苦しむ現地の人々を支援するため、募金箱を使って、個人はもちろん、会社や教会などでも募金への協力を呼び掛けることで、昨年以上の金額を目指す。
10月16日の世界食料デー当日には、ユーチューブでオンラインイベントを開催し、ライブ配信する。視聴者参加型のイベントを企画中で、まずは千人を目標にユーチューブのチャンネル登録を呼び掛けている。
さらに、使用済み歯ブラシの回収による寄付も受け付けている。1本当たり2円の寄付ができ、昨年は2247本を集めたが、今年は1万本を目標にしている。
今年は集まった寄付金を、アフリカのコンゴ民主共和国、ルワンダ、エチオピア、南スーダン、ケニアの5カ国での支援活動に充てる予定だが、現地は「それまでの食料難や衛生的でない環境に加え、社会封鎖(ロックダウン)や、極めて厳しい経済活動の制限によって仕事が奪われ、生活が困難になっています」という。「ぜひ『アフリカの希望のために』募金協力や新たな取り組みへのご参加をお願いいたします」と呼び掛けている。
寄付は、ハンガーゼロのホームページで受け付けている。
世界食料デー(10月16日):世界の食料問題を考える日として、1979年の国連食糧農業機関(FAO)第20回総会の決議に基づき、国連が81年に世界共通の日として制定した。世界の一人一人が協力し合い、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としている。毎年、世界食料デーの前後には、世界の食料問題に関する政策を議論する世界食料安全保障委員会(CFS)が開催されるほか、世界各地で啓発イベントが行われている。