むちと叱責は知恵を与える。放っておかれた子は母に恥を見させる。(箴言29:15)
気の短い少年が人生経験豊かな老人にアドバイスを受けています。「キミは才能豊かな前途有望な少年だ。キミに忍耐力がつけば鬼に金棒、成功間違いなし」。それを聞いた少年は神に祈りました。「神様、ボクに忍耐力をお与えください。ボクは気が短いのですぐ下さい」
子どもに忍耐力を持たせることの重要性を教える興味深い研究があります。スタンフォード大学の研究チームが4歳児を対象に「マシュマロテスト」をしました。4歳児の目の前にマシュマロを1個置き、「先生は今から部屋を出て15分後に戻ります。もし、このマシュマロを食べたかったら食べてもいいです。しかし先生が戻るまで待てたら、2個あげます」
残された4歳児はさまざまな反応をします。
- 先生が部屋を出るや否やすぐに口に入れる子ども
- しばらく考えていましたが誘惑に負けて、恐る恐る口に運ぶ子ども
- 腕組みをしてマシュマロを睨みつけて我慢する子ども
- マシュマロの乗っているテーブルを舐めながら、恨めしそうにして我慢する子ども
- 歌を歌ったり、一人遊びを始めてマシュマロを無視する子ども
こうして結果的に、我慢できずにマシュマロを食べた子どもと、我慢してマシュマロを2個もらった子どもに分かれます。
研究チームはその後、何年にもわたってこの子どもたちを追跡調査します。その結果分かったことは、4歳の時にマシュマロを食べずに我慢できた子どもたちは、大きくなって社会的にも貢献する人物となり、さまざまなストレスやプレッシャーにも上手に対処できて、家庭においても良き夫、良き妻として関係を築いていました。
学力の面でも我慢できた子どもたちは、そうでなかった子どもたちよりS A Tの平均点が210点も高かったのです。反対に、マシュマロをすぐに食べた子どもたちは衝動的で、忍耐力がなく、非行、薬物乱用、離婚の確率も高いことが明らかになりました。この研究からも明らかなように、子どもに忍耐することを学ばせるのは養育する親の重大な責任といえるでしょう。
プリズン・フェローシップ・インターナショナルの日本支部の理事であるマヌエル・エルナンデスさんの「子どもを非行化させるコツ教えます」という10の提言があります。
- 幼い時から冷たく放りっぱなしにせよ。遊び相手になるとか、スキンシップはまったく無用!
- 欲しいと言ったら何でもすぐ買い与えよ。我慢させることは絶対に禁物。
- 子どもの間違いや失敗は理由を問わず叱り飛ばせ。口で言うよりも引っ叩く方が一層良い。
- 子どもがどこで何をして遊ぼうが気に留めない。遊び仲間についても、まったく知る必要はない!
- 兄弟やよその子と比較して、お前はバカだ、誰々を見習え!を連発せよ。
- 忙しいのに食卓のだんらんなど無駄! 子どもの活動や関心など無視すればよい。
- 子どもが善いことや努力をしてもめったに褒めるな! むしろ、ごまかしや裏切りなど悪事をうまくやったら必ず褒めよ。
- 子どもの前では決して夫婦間の意見を一致させるな! 特に父親は難しい問題からうまく逃げよ。
- お金こそ人生のすべてであると身をもって教え込め! 宗教や精神生活を軽蔑せよ。
- 子どもの前で、常に法律、警察、学校、役所の悪口を言い、社会の決まりや公共機関への敵意を植え付けよ!
以上のすべてを忘れたとしても、次のことだけを心掛けるならば、非行化は効率よく進むだろう。「いつも夫婦仲悪く暮らし、憎しみ合い、できれば不貞をはたらき、大人のエゴをむき出しにすること!」
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