Skip to main content
2026年6月25日16時34分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの生涯

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの生涯(11)職業人の誇り

2020年7月1日17時01分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷

順調に進んでいるアンドリューの事業も時には思いがけない危機に見舞われた。仲間の一人であるA・クローマンはある時、他の会社から誘われ、会社を担保にして70万ドルを銀行から借りて出資した。ところが、この会社は3カ月と持ちこたえられずに倒産してしまった。

クローマンは負債を負ったまま一文なしになり、アンドリューの会社も手痛い打撃を受けた。そして鉄工所の一つを潰すしかないというところまで追い詰められた。この時、ジュニア・モルガン氏をはじめとする金融界の幾人かが助けてくれて70万ドルの大穴が埋められるようにしてくれたのである。彼は信用というものの大切さを今更のように感じた。

その後、アンドリューたちは緊急会議を開き、善後策を話し合った結果、クローマンをもう一度雇い、彼に月々わずかずつ分割で負債を返すようにさせたらどうかということになった。これをクローマンに告げると、彼は激しく拒絶した。「自分はもう油や鉄くずにまみれて働くなんてまっぴらだ。別の事業がやりたいんだよ」

仕方なく、なすがままにさせたところ、間もなくクローマンは大きな事務用品製造会社の下請け会社を作り、机、書棚などのショールームを備えた事務所に収まり、カタログを作ったり、書類を写したりする仕事を始めた。

しかし、彼には「事務」というものに対する予備知識がまったくなかった。それで帳簿の付け方も原価計算の仕方も分からない。こうして3カ月とたたないうちに莫大(ばくだい)な借金を抱え、会社は人手に渡り、小切手は不渡りとなり、知人は誰一人金を貸そうとしなかった。それでもアンドリューはこの友人を何とか助けたかったが、もはや事態は手の尽くしようもないところまできてしまった。

借金取りは執拗に彼を追い回した。それから逃れるためにさらに高利貸しから金を借り、利子は恐ろしい勢いでふくれ上がっていった。妻は子どもをつれて出て行ってしまった。クローマンは苦しまぎれに賭博に手を出すが、これが破滅のもととなり、ついに彼は裏町のアパートでピストル自殺をしてしまったのだった。

アンドリューは鉄工所を立ち上げた仲間の一人の死を深く悲しみ、弟のトム、トマス・ミラー、ヘンリー・フィリップスの3人と共に彼の遺体を引き取り、丁寧に葬ってやったのだった。

この後、アンドリューはこの悲劇を若い者たちの教訓にしたいと考えた。そこで、彼は『職業人の誇り』と題するパンフレットを作り、全従業員に配った。これは、いかに人間が自分の天職を見極め、これに誇りを持たねばならないかが示されていた。青年たちはむさぼるようにこれを読んだ。

人間が誇ることができるのは、その人だけしかできない仕事に対してです。人間はそれぞれ違った賜物を生まれつき持っているのですから、その人だけにしかできないことがあるのです。早くからこれを見極め、天職を知るべきです。そのためには努力して自分を磨くこと。人間には不思議な向上心というものがあり、ひとたび努力すればすべてが容易になり、努力することが楽しくなるものです。そして、自分に向いた仕事というものが分かってくるのです。

天職が分かったら、今度は名誉をかけて取り組みなさい。いかなる場合でも最高の仕事をすることです。私は『最高のもの以外は何も作らない』という信念を持ってやってきました。ここに誇りがあるのです。どんな職業に就こうとも、そうするべきです。技師も、現場の作業員も、事務員も、商人も、教師も、医者も、政治家も、作家も—最高の仕事をもって世に奉仕すべきであります。

もし希望した職に就けず、自分に向いた仕事も分からず、道路を磨く清掃人になったとしたら、誰も真似ができないほどきれいに、見事に仕上げなさい。町中の道路をピカピカにして「あの人がいなくてはならない」と言われるほどに腕を磨くのです。ここにこそ、職業人の誇りがあるのです。

人間は本来働くために作られているのであり、そうすることが最も幸せなのです。人間は良い服を着、快適な家に住み、おいしいものを食べるだけで満足するものではなく、もっと精神的な存在なのです。より良い仕事をしていこうと心がけていると、ちょっとした工夫で素晴らしい仕事をすることができます。立派な職業人がいる国は栄えます。勤勉で努力を惜しまない国は決して滅びることはないのです。(一部抜粋)

クローマンの後任はウィリアム・ボーントリンガーに委ねられ、「エドガー・トムソン鋼鉄会社」は以後大いに発展していった。

*

<あとがき>

アンドリューが従業員の教育のために書いたパンフレット『職業人の誇り』は、彼が関係する事業所で働く者ばかりでなく、広く米国社会に広まり、その文章のレベルの高さはまさにベストセラー並みであったといわれています。しかし、このパンフレットは、アンドリュー個人が体験した深い悲しみの中から生まれたのでした。

彼の友人—共に製鉄事業を興した仲間の一人でもあるアンドリュー・クローマンが、ふとした出来心からアンドリューの会社を担保にして70万ドルの金を銀行から借りたが、事業に失敗し、莫大な借金を負ったまま自殺したのでした。

アンドリューは金融王モルガンの助けで善処することができ、彼をもう一度雇おうとしたのですが、クローマンはその申し出をはねつけ、自滅してしまったのです。「おごりは身を滅ぼす」ということを若い人たちに教えたくてペンを取った結果、この素晴らしい『職業人の誇り』が生まれたのでした。

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • 太平洋の橋―新渡戸稲造の生涯(1)稲穂のように

  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(1)プロローグ―漂流する聖書

  • 戦国に光を掲げて―フランシスコ・ザヴィエルの生涯(1)叫び求める声

  • 混血児の母となって―澤田美喜の生涯(1)男まさりの子

  • 生命への畏敬―アルベルト・シュヴァイツァーの生涯(1)動物の苦しみ

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 韓国異端「新天地」の李萬熙総会長を逮捕、信者5万6千人を政党に強制入党させた疑い

  • 日ごとのパンを求めて―ジョージ・ミュラーの生涯(6)フランケの「孤児の家」

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 日本キリスト教海外医療協力会、新会長に柳澤理子氏 椙山女学園大学教授

  • 「ヘブライズムが世界を救う」 ジーザス・ジューン・フェスティバル2026、東京・新宿で6月29日

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(6月24日):メキシコ カルテルと伝統の狭間で─暴力に耐えるキリストの弟子たち

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 聖書原語への招き─霊に燃え、主に仕えるために(11)パン種の譬えで示す神の国 白畑司

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • 両足に6本の指持って生まれた少年、キリスト教慈善団体の医療支援受け走れるように

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 「世界難民の日」 ワールド・ビジョンが8カ国で調査 子ども守る「自立」の重要性訴え

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 「ありがとう」か「あたりまえ」か 佐々木満男

編集部のおすすめ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.