5月の1カ月間に世界で10億人に福音を伝えることを目指すキャペーン「GO2020」が始まった。2012年の発足以来、全世界で1千万人以上を救いに導いてきた世界的な伝道の働き「グローバル・アウトリーチ・デー」(GOD=世界伝道日)が主催する。GODは例年、5月最終土曜日に全世界で一斉に伝道する運動を行っているが、今年は「特別版」として1カ月間にわたるキャンペーンを実施。新型コロナウイルスの影響を受けている人々のために祈り、助けの手を差し伸べるとともに、一人一人が「キリストにあって抱いている希望」を分かち合うよう呼び掛けている。
GO2020には、世界福音同盟(WEA)やペンテコステ世界親交会(PWF)、バプテスト世界連盟(BWA)などの世界的な組織や、Cru(キャンパス・クルセード・フォー・クライスト=CCC)やユース・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)などの宣教団体、アッセンブリーズ・オブ・ゴッドやチャーチ・オブ・ゴッドなどの教団、さらに米国聖書協会やビブリカなどの聖書出版団体を含む130以上の団体が協賛。全世界で1億人のクリスチャンを動員し、1人が5人に福音を伝えることで、また協賛団体の働きを通して、この1カ月間に計10億人に福音を伝えることを目指す。
GODのワーナー・ナッチガル会長は動画メッセージ(英語)で、「私たちは第2次世界大戦以来、最も困難な危機の中にいます。新型コロナウイルスのために人々が死に、多くの人々が恐怖の中にいます」とコメント。「教会が建物であれば、それは封鎖されました。教会がイベントであれば、それはキャンセルされました。教会は建物以上のもの、イベント以上のものです。教会はあなたであり、私です。私たちが教会です」と言い、「今は信仰者として緊急の時です。世界のために祈りましょう。危機の中にある人々を助け、キリストを分かち合いましょう」と呼び掛けている。
GO2020のホームページ(英語)によると、現代のクリスチャンは教会に通っていても93パーセントが自身の信仰を積極的に分かち合うことをしていないという。ナッチガル氏は呼び掛けのメッセージで、「福音はこれまで語られてきた中で最も偉大なメッセージです。そして私たち(クリスチャン)は、それを分かち合うよう召されています。キリスト教の『沈黙』を打ち破りましょう!」と述べている。
GODの働きは、ナッチガル氏らが中心となって2012年に始まった。これまでの8年間に2500万人が参加し、2億枚を超えるトラクトを配布し、1千万人以上を救いに導いてきた。昨年は145カ国から参加者があり、世界屈指の都市であるニューヨークから、マニラのスラム街、アフリカ最大の熱帯雨林地帯が広がるコンゴに至るまで、世界各地で伝道が行われた。昨年はまた、数年前まで過激派組織「イスラム国」(IS)が拠点としていた都市でも初めて伝道が行われたという。
今年は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の最中にあることから、参加者には一人一人に、次の「祈る」「助ける」「分かち合う」を実践するよう求めている。
祈る:5人のために祈りましょう。新型コロナウイルスの感染者の癒やしのために祈りましょう。
助ける:新型コロナウイルスの影響を受けている人々の実際的な必要を満たすよう助けましょう。ベビーシッターをしたり、食事を提供したり、高齢者のために代わりに日用品を買いに行ったり、友人や家族に連絡したりするなどし、助けの手を差し伸べましょう。
分かち合う:あなたがキリストにあって抱いている希望を分かち合いましょう。フェイスブックなどのさまざまなSNSに、#go2020 や #hopebeyondfear などのハッシュタグを付け、あなたの証しを文章や動画で投稿し、分かち合いましょう。
GO2020は、参加者には各国の新型コロナウイルス対策の方針に従うよう呼び掛けているが、5月30日には世界各地の都市で、それぞれの時間で午後3時に「フリーダム・フラッシュモブ」(英語)を一斉に実施するなどし、福音を目に見える形で表現するという。また、参加教会には2020年の1年間を通して、教会開拓に励むよう呼び掛けており、今年1年で100万の新しい信仰共同体を築くことも目標にしている。