茨城県筑西市の単立・幸町キリスト教会が布製マスク560枚を作り、教会が関係するサッカースクールの関係者に配布したほか、地域の住民に使ってもらおうと、筑西市にも約350枚を寄付した。新型コロナウイルスの感染症対策でマスクの着用が推奨されている中、品薄の状態が続いていることから、縫製屋を営む教会員の協力を得て作ったという。同教会の栗﨑路(あゆみ)牧師は、地域の人々に仕えるのは教会として自然な姿と言い、「私たち幸町キリスト教会も、そのような教会でありたいと願っています」と話している。
マスクは初め、今月16日に教会から徒歩10分の所にあるシャロームスポーツセンターで、栗﨑牧師が代表を務めるシャロームサッカースクールの関係者や地域住民に配布。翌17日に、筑西市役所を訪問し、子ども用約200枚、大人用約150枚、計約350枚のマスクを菊池雅裕副市長に手渡した。
シャロームスポーツセンターは、地元で病院を営む教会員の広川国義氏が2015年に建設。同教会では昨年から、スポーツセンターや広川氏が経営する病院、また教会で開催しているゴスペル教室、がん哲学外来などを通して、ホーリスティック(全人的)に地域に仕える「シャロームプロジェクト」を構想しており、今回のマスク配布・寄付はプロジェクト最初の活動となった。原材料の調達の課題もあるが、今後も地域で必要があればマスクを作っていきたいとしている。
栗﨑牧師によると、宇都宮市の日本キリスト宣教団・峰町キリスト教会(安食弘幸主任牧師)がマスクを手作りして地域に配る働きをしていることを知り、自身の教会でも実施を思い付いたという。縫製屋を営む教会員の女性に相談したところ快諾してくれ、サッカースクールの関係者が口コミで広げてくれたことも手伝い、地域の多くの人々にマスクを配ることができた。
栗﨑牧師は、「教会は初代教会の時代から迫害を受けながらも、自分たちよりも苦しい状況にある病人や孤児を助け、地域の人々に仕えてきました。それに比べたら、私たちがしたことは大したことではありませんが、地域の人々に『教会が地域に仕えようとしている』ということを知っていただく機会になったという点では、大きな一歩だったと思います」とコメント。「聖書は初代教会の姿を指して『神を賛美し、民全体から好意を持たれていた』(使徒2:47)と言います。私たち幸町キリスト教会も、そのような教会でありたいと願っています」と語った。