立教大学(郭洋春〔カク・ヤンチュン〕総長、東京都豊島区)は、新型コロナウイルスの緊急支援策として、約2万人の学生全員に一律5万円の「学修環境整備奨学金」を給付することを決めた。30日から始まるオンライン授業に向けて、パソコンの用意など学生側の学修環境整備を支援するため。給付額は総額で10億円規模に上る。同大が27日に発表した。
同大では、2020年度春学期のすべての開講科目をオンラインで実施することを決めており、現在オンライン授業の実施に向けてさまざまな対策を行っている。一方で同大では、スマートフォンではなく、カメラやマイク、スピーカーが搭載されたパソコンでの受講を推奨しており、学生側の環境整備も必要。安心して授業を受けられるよう、今回の措置を決めたという。具体的な給付方法は追って学生に通知する。
同大にはこの他、「緊急給与奨学金」や「学部給与奨学金」など、経済的援助が必要な学生を対象とした既存の奨学金があり、これらの予算についても見直しを図り、拡大させる考え。また、これらの経済支援以外にも、図書館やキャリアセンターなどではオンラインを活用した学生支援のサービスを提供していく予定だという。
オンライン授業化に伴う学修環境整備などを目的に、全学生に一律5万円を給付する取り組みは、明治学院大学が21日に発表したのをはじめ、城西大学や広島工業大学も発表している。また早稲田大学は、新型コロナウイルスの感染拡大により経済的に困窮している学生が増えてきていることから、1人当たり10万円の緊急支援金の給付や、パソコン、Wifi機器貸し出しなど、総額約5億円の緊急支援策の実施を決めている。