バチカンのサンピエトロ広場で12日、列聖式が行われ、インド人のアルフォンサ修道女を含む4人が新たに聖人となった。インド初の女性聖人誕生に、インドの司祭や修道女らを始めとする約4万人が同広場に集まった。AFP通信が伝えた。
同通信によると、1910年に生まれたアルフォンサ修道女は修道院に入ることを固く決意し、結婚を勧めるおばを黙らせるためにわざと火の中に入り足にやけどを負ったという。短かった人生の大部分を重い病に悩まされて過ごしたアルフォンサ修道女は、禁欲主義と慈悲の心で知られ、死後数々の奇跡が彼女に帰せられた。
ローマ教皇ベネディクト16世は、アルフォンサ修道女について、極度の身体的、霊的苦痛の中を生きたとし、また「自身に降りかかる苦難が、父(なる神)によって備えられた天の宴会へ到達するための、まさにその道であると確信していた」とその信仰を証した。
このほか、幼い時期に孤児となり、敬虔な信仰を貫きながらも裁縫師として働き兄妹を支えたエクアドル人のナルシサ・デ・ジーザス・マティロー・モラン(1832〜1869)、スイス人修道女のマリア・マナーダ・ビュトゥラー(1848〜1924)、コロンビアに宣教師として赴いたイタリア人のジェータノ・エリコ(1791〜1860)が列聖された。
カトリック教会では、福者の中から徳と聖性が認められた者が聖人として選ばれ、日本では豊臣秀吉の時代に長崎で殉教した日本二十六聖人のうち20人が選ばれている。一方、江戸時代初期に弾圧を受け殉教した188人が昨年、新たに福者として選ばれ、今年11月24日には長崎市松山町の同県営スタジアム「長崎ビックNスタジアム」で、日本としては初めての列福式が行われる。