インドのマンモハン・シン首相は、オリッサ州やカルナータカ州でキリスト教徒への迫害が相次いでいることを受け、宗教問題に本格的に取り組んで行く方針を明らかにした。6日付でヴォイス・オブ・インディアが伝えた。
同紙によると、シン首相は対立する双方の団体から合意を得られるような解決策を論議するため、13日に全国統合評議会による会議を招集することを決定。また、オリッサのインド人民党(BJP)・ビジュ人民党(BJD)連立政権の解散を求める声が高まる中、「まもなく連立内閣特別会議を開き、迫害や対立に対する打開策を話し合う」と表明した。
シヴラージ・パーティル内相は、オリッサ州政府に顧問委員数人を派遣し、暴動の状況の把握にあたるよう州政府に求めた。オリッサ州のナビン・パトナイク首相に送った親書の中でパーティル内相は、暴動鎮圧のために中央政府が強行姿勢に出る可能性に言及。中央政府の介入に難色を示している州首相は、暴動鎮圧のためにあらゆる策を講じると答えたという。
今回の暴動では、オリッサ州東部だけでも5万人のキリスト教徒が避難を強いられており、1947年のインド独立後60年間で最もひどいキリスト教徒への迫害だとされている。今月2日には宗教や社会的地位の壁を越えて1万5000人以上の人々がニューデリーで抗議デモを行った。