世界の子どもたちを支援するキリスト教主義の国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(WVJ、東京都中野区)は1月29日、パナソニックと協働し、ケニアで「無電化地域ソリューションプロジェクト」を開始した。同国南西部ナロク県エンクトト地区を対象に、パナソニックの太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電源システムや生活照明器具を寄贈し、電気を活用した事業支援や夜間識字教育などの学習支援を実施する。期間は2020年9月30日まで。
プロジェクトでは、電源システムを同地区にあるイルキマティ小学校とエンクトト診療所に1台ずつ設置したほか、地域の教会で実施する識字教室のためにLED照明付小型蓄電システム「ソーラーストレージ」7台、イルキマティ小学校に子どもが通う150世帯に生活照明器具「ソーラーランタン」150台、太陽光発電で水をくみ上げる「ソーラーポンプシステム」1台などを寄贈した。
同地区で同日行われた寄贈式には、ケニア政府や在ケニア日本大使館、国際協力機構(JICA)ケニア事務所などから約300人が出席。電源システムを設置したイルキマティ小学校の児童も参加し、踊りを披露した。児童代表があいさつし、「明かりが使えるようになり、もっと勉強することができます。診療所では、冷蔵庫で予防接種のワクチンを保管できるようになり、私たちの健康を守るより良いサービスを受けられるようになります」と喜びを語った。
プロジェクトを担当するパナソニック・ブランドコミュニケーション本部の福田里香CSR・社会文化部部長は、「明かりや電気により、識字教室などの学習支援や農業・養鶏などの経済向上の支援、安心・安全な暮らし環境の実現に向けて、『くらしアップデート』をコミュニティーの皆様と共に実現していきたい」と述べた。
WVJの木内真理子事務局長は、「互いの強みを生かして実施する本事業を通して、これまでWVJが展開してきた活動を基盤に、より幅広い課題に取り組み、より大きなインパクトをもたらすことができると期待しています。地域の課題解決と発展に貢献し、イルキマティ村の子どもたちが夢を追い掛けられるよう、全力を尽くします」と意気込みを述べた。