サウスウェスト・バプテスト大学(米ミズーリ州)は、神学的に保守的な教授を解雇したことをめぐり、同大の「神学的整合性」への懸念が浮上したことを受け、独立した外部評価委員会を立ち上げることを発表した。
同大は声明(英語)で、同委の設置は「信仰と学問に関する全学的な対話」をもたらし、その評価は同大の「正統性に関する深い対話と評価」につながるだろうと述べている。
委員長は、福音主義のトリニティー国際大学(インディアナ州)学長で、ユニオン大学(テネシー州)の学長も務めた経験のあるデイビッド・ドカリー氏。
「われわれは委員会の調査を歓迎します。これは本学の本質を明確なものにするためであり、バプテストの知的遺産に忠実であり続けながらも、キリスト教高等教育を効果的に提供するために不可欠なプロセスだからです」と同大は声明でつづっている。「開学以来、本学を形成してきた中心的価値観に本学がしっかりと根差していることを示す結果になるものと確信しています」
同委の設置が発表されたのは、同大付属クォーツ・レッドフォード神学・牧会カレッジのクリント・バス終身教授が、他の教職員の神学的見解に懸念を表明したことで、昨年11月28日に解雇されてから数週間後のことだった。エリック・ターナー学長は解雇通告書(英語)の中で、バス氏の懸念は学生からの伝聞に基づくもので「根拠がない」としている。
バス氏は、同大で教えられている教義が、南部バプテスト連盟が掲げる信仰告白と整合しないと懸念を表明していた。同大は、同連盟を構成する「ミズーリ州バプテスト連盟」の関連高等教育機関で、大学院生を含め約3300人の学生が在籍しており、140年余りの歴史がある。
クリスチャンポストに送られてきた別の声明によると、同大は当初、2019年秋に「信仰と正統性に関する対話」を計画していた。しかし、バス氏の解雇に伴い同大に対する懸念が浮上したことから、それを前倒しする形で同委の設置を決めたという。
バス氏の解雇は学生や卒業生らの強い反発を招いた。復職を求める署名運動(英語)も起こり、23日現在、1400人近くが署名している。また、他の神学校の教授たちの中にもバス氏を擁護する声がある。
南部バプテスト神学校(ケンタッキー州)で歴史神学を教えるトム・ネトルズ教授は、バス氏を支持する書簡(英語)の中で、「サウスウェスト・バプテスト大学の他の教授たちの教義的立場を綿密に調査することが適切であろう」と述べている。
また、南部バプテスト連盟の倫理宗教自由委員会でキリスト教倫理の主任研究員を務めるアンドリュー・ウォーカー氏も、同大の対応には「深刻な懸念」があると批判している。