福音のために世界各地を飛び回る宣教師にとって、荷物の紛失や手荷物料金に別れを告げられるのはありがたいことだ。米テキサス州にある宣教団体「ジュダ1」(英語)が早ければ今夏にも、そんな宣教師にうってつけの世界初の「キリスト教航空会社」になるという。
ジュダ1は最近、プライベートジェットの民間事業者から航空会社への変更申請を米運輸省連邦航空局が受諾したと発表した。
「これは大きな栄誉であり恵みです。神にすべての栄光をお返しします。今後もできるだけ多くの情報を発信します。これが実現したのはパートナーや支援者の皆さまのおかげです。ありがとうございます」
ジュダ1のウェブサイトによると、同団体は教団・教派にかかわらず、世界中の宣教地に向かうクリスチャンにサービスを提供しており、これまでに数百人の宣教師や数千トンの貨物を空輸してきた。
ジュダ1の創業者で最高責任者(CEO)のエベレット・アーロン氏はクリスチャンポストのインタビューに応え、今夏には航空会社としての承認が見込まれており、連邦航空局もジュダ1の取り組みに好意的だと語った。
「すべてが計画通りに進むなら、(航空会社としての正式な承認は)2019年の夏ごろを見込んでいます」とアーロン氏。
チケット代は他社との競合が見込まれるものの、宣教を目的としたクリスチャンの利用者が手荷物料金を気にしたり、荷物の紛失などを危惧したりする必要はなくなるとアーロン氏は言う。
「私どもは、他の航空会社と同様に通常のチケット代を請求しなければなりません。しかし、私どもには他の航空会社と比べて大きな競争力があります。この売りとなるサービスは、一般のお客様にはご利用いただけず、利用するには宣教チームに属している必要がありますが、手荷物料金がかからないのです。まったく無料です。お客様のお荷物は、すべてお客様と(同じ便で)ご一緒に空輸されます。これが最大のメリットです」
宣教旅行するクリスチャンが荷物を紛失する頻度を示す調査結果を提示したアーロン氏は、一般の航空会社で旅する宣教師の負担を取り除くことがジュダ1の願いだと話す。
「コンテナで荷物を輸送する場合、約半数の宣教師が荷物の紛失を経験しており、一つの問題となっています。私どもは、幾つかの宣教団体と旅をしてきました。それらの団体は宣教師の荷物や医療用品をコンテナで輸送します。その場合、物資が税関で止められたり、食べ物が腐ってしまったり、荷物の一部が紛失したりするのです」
アーロン氏によると、時には聖書などの宣教物資が盗難に遭うこともあるという。
「聖書さえもです。私は聖書が世界最大の闇市場の商品の一部であることを知りました。聖書は盗まれて、売られるのです」とアーロン氏。
ジュダ1は現在、MD80型機(MDー83)を1機所有しており、今夏の正式認可に向け、MD80型機が他に4機、ボーイング767型機が2機、同団体向けに準備中だという。これにより、ジュダ1の短期運用航空機は7機となり、さらに今後5年間に20機の航空機を保有することを計画している。
航空会社として正式に承認されれば、今秋にも、キングダム・リビング・ミニストリーズなどの宣教団体と協力し、ケニア西部にあるキスム県の村々などの未伝地へ宣教旅行を計画している。