現存する最古の教会堂とされるベツレヘム聖誕教会の修復作業中に発見された12世紀のモザイク壁画を紹介するクローズアップ展示が、東京・池袋の古代オリエント博物館で開かれている。2月4日まで。
イエス・キリスト生誕の地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ南部にあるベツレヘム。その地に立つ聖誕教会は、6世紀に再建された建築を中心としており、長い年月と度重なる紛争によって崩壊寸前まで傷ついていた。
2012年にパレスチナ自治区内で初めてユネスコ世界遺産に登録されたが、崩落する可能性が指摘され、危機遺産としても登録された。保存修復作業は、イタリアのピアチェンティ社が担当し、現在も継続中だ。
その最中の2016年春、壁に塗り固められた漆喰の下から天使のモザイク画(12世紀ごろ)が発見され、話題を呼んだ。
展示では、写真パネルや映像を用いて、保存修復作業の様子や、その過程での発見を紹介している。
開館時間は午前10時から午後5時。入館料は常設展と共通で一般600円(大高生500円、中小生200円)。1月25日午後7時からは、ナイト講座「パレスチナにおけるビザンツ期、十字軍期の教会堂遺構」が開かれる。講師は、慶応義塾大学文学部教授の杉本智俊氏。ナイト講座は要事前申し込み。問い合わせは、古代オリエント博物館(03・3989・3491)まで。