米国人アーティストのスーザン・ローディによる人気彫像ブランド「ウィローツリー(Willow Tree)」の降誕セットが、今年から日本でも販売されることが決まった。ウィローツリーは年間100万体以上が出荷される人気の彫像ブランドで、その中でもクリスマスの時期に飾られる降誕セットは定番作品として定着している。
日本ではこれまで、ウィローツリー専門商社のドナティオ株式会社(藤村高寛社長、東京都町田市)が、2013年からウィローツリーの各種彫像を販売していたが、降誕セットの販売は行っていなかった。しかし、毎年クリスマスの時期になると降誕セットに関する問い合わせがあり、今年から正式に取り扱いを始めた。
今年販売される降誕セットは、「ナティビティ(降誕)」「星明かりの夜」「クリスマス・ストーリー」「聖家族」の4シリーズ。
「ナティビティ」は、イエス誕生の場である馬小屋と、ヨセフとマリア、幼子イエスや羊と羊飼いなどからなるシリーズで、ウィローツリーの他の天使像(29種類)とも組み合わせ可能。ウィローツリーの降誕セットで最も多くの作品が集まるシリーズで、毎年少しずつコレクションを増やして楽しむこともできる。
ウィローツリー15周年を記念して制作された「星明かりの夜」は、冬の星空をイメージした美しく幻想的な作品。置いても、壁にかけても楽しむことができる。「クリスマス・ストーリー」は、ウィローツリーの降誕セットの中で最もサイズが大きく、教会や公共施設、大きめの建物でのディスプレイに最適。一方「聖家族」は、小さめのディスプレイスペース用にデザインされており、「ナティビティ」シリーズのアイテムとも組み合わせが可能だ。
ウィローツリーは、スーザン・ローディが2000年に発表して以来、人々から寄せられるさまざまな声に応えて、ローディが年に3〜4体を新たにデザインし、現在は100種類以上の彫像がある。顔が彫刻されていないのが最⼤の特⻑で、気持ちを作品に投影でき、誰もが個⼈的に⼤切な作品を⾒つけられるようになっている。
デザインのコンセプトは「アンティーク」。金属製の天使像の羽には、意図的にさびが付けられているなど、長い世代を経て人の手から手へ渡ってきたように見える工夫が施されている。淡い優しい色も、長い時間を経て色あせたような雰囲気を出しており、表面は多くの人の手を渡ってきたような、なめらかな触感が特徴だ。
オリジナルから作った型を使用してレジン(樹脂)で製造しているため、高いデザイン性がありながら、値段は比較的手頃。またこの素材により、高級感のある陶器と、暖かな木材の中間のような質感を出している。
米ギフト専門誌による「癒やしのギフト」部門コンテストでは、小売店からの支持で1位を獲得。降誕セットについては、ネット通販大手のアマゾンで、五つ星の評価に2800件以上のレビューが付くなど、購入者からも高く評価されている。
日本で販売を行うドナティオ株式会社の藤村社長は、同社を創業する前の会社員時代、出張で米国を訪れたときに、たまたまウィローツリーと出会った。あまり物を持たない主義だったが、ウィローツリーを見た瞬間「なぜだか不思議と『欲しい』と強く思った」という。1体だけ購入して帰国するが、当時4歳だった娘が手を滑らせてすぐに壊してしまった。日本で購入しようと探したところ、国内ではどこも販売していなく、それが「ウィローツリー専門商社」である同社創業のきっかけとなった。
日本での販売を開始するまで、米国の販売元であるデムダコ社との交渉では、さまざまな苦労もあったが、「もし天職というものがこの世にあるとしたら、私はそれに近い仕事ができていると思う」と話す。
今年の降誕セットは、売り上げの10パーセントが国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンに寄付される。現在、予約を受け付けており、出荷は11月からの予定。降誕セットの詳細・購入はこちらから。