日本福音自由教会は25日、東京都心での教会設立を目指す「東京都心ミニストリー」の発足と公式サイトの開設を発表した。同ミニストリーは、日本各地の福音自由教会が参加する協議会のシンクタンクが、2期6年にわたって調査研究を行い、12教会が賛同する形で今年5月に発足した(8月時点の賛同教会は計13教会)。サイトは日本語、英語、中国語の3カ国語でできており、東京都心で「あらゆる国の人々をキリストに導き、キリストの弟子として育成し、主の召しに応じて世界にその弟子を派遣する」ための教会設立を目指す。
同ミニストリーの公式サイトによると、会長は立川福音自由教会(東京都立川市)の高橋秀典牧師だが、役員会の他のメンバーは、東京に限らず全国各地の福音自由教会の牧師が務めている。また国内宣教師の候補として、下村明矢(あきや)氏を任命。下村氏は来年4月に正式に就任する予定で、同3月まで全国の福音自由教会を巡り、ミニストリーのアピールを行う。さらに今年9月〜11月の3カ月間は、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)内にある日本福音自由教会の協議会事務所で月1回の祈祷会も開催する。
日本福音自由教会はこれまで、郊外のベッドタウンを中心に宣教を行っており、東京には現在、3教会(武蔵野、立川、東村山)があるが、都心にはまだ教会がない。また、都市における若い世代の人口増加など、この約20年の時代や社会の変化を見る中で、都心における宣教の必要性が浮かび上がってきたという。
<東京都心ミニストリーが指摘する2000年以降の変化>
- 若い世代が都心に多く住み、特に中央区や港区で人口が急増。
- 世界に影響力のある人が多く住み、かつ家の宗教に縛られずキリスト教に好意的な人が多い。
- 上京するクリスチャン青少年、海外で教会に導かれ帰国した人、日本で聖書に触れる外国人などの受け皿が必要。
- かつて教会学校やミッションスクールで聖書に触れたことのある人が多く暮らしている。
- 教会教職者の平均年齢がすでに65歳に達し、青少年の育成が急務。
また、戦後間もない1949年に米国の福音自由教会から派遣された宣教師によって開拓された歴史を振り返り、「70年来の宣教DNA」があることを挙げる。日本福音自由教会は、戦争では敵対した米国から宣教師が派遣されたことで誕生し、現在は北海道から沖縄まで65教会が存在する。同ミニストリーはサイトで「ここに戦争というマイナスな出来事をもプラスに変えられる、神の大いなるリーダーシップを見る気がします」とつづっている。
組織としては日本福音自由教会に所属するが、各国の福音自由教会や世界の諸団体とも関係を広げていく考え。自立運営される教会が設立された段階で活動を終える予定だが、複数の教会が起こされることも祈り求めていくとしている。「まず国の内外から、牧会経験のある働き人を広く求め、チーム宣教、多民族宣教、幅広い年齢層への宣教を目指します。そして創造主なる神を礼拝する拠点としての、福音自由教会を建て上げます」という。
同ミニストリーは、東京都心在住者に働きを紹介するほか、祈りや献金による支援を求めている。詳しくは、公式サイトを。