5月に発足した「キリスト教指導者会議」(Congress of Christian Leaders=CCL)の初代理事候補の第一陣が2日、発表された。南北米大陸の指導者を中心に16人が選ばれ、米国のメガチャーチの牧師3人も指名された。
CCLは、米福音派のヒスパニック系に影響力を持つサミュエル・ロドリゲス氏(全米ヒスパニック・キリスト教指導者会議代表)と、米コンサルタント会社「カイロス・カンパニー」の社長でベストセラー作家のジョニー・ムーア氏が5月に立ち上げた超教派の代表組織。「世界的なキリストの体(教会)に福音による一致」をもたらすことを目的としており、今年10月中旬に発足後初となる会合を開く予定。
理事候補の第一陣として指名を受けた16人は、世界的なキリスト教ムーブメントの代表を務めるような指導者らで、「6大陸にいる数百万人のクリスチャンに対し強い影響力」を持つ人物たちだとされる。
「初回選出の理事候補に関して私が最も気に入っている点は、世界各地で多数の地域教会を指導し、またそれらと深く結び付いていることです」とムーア氏は話す。CCLについては「世界各地の教会の働きに取って代わるのではなく、助成金を出すのでもなく、指導者たちを集めて彼らとその教会に仕えることを目的としています」と説明。「CCLは山をも動かすことができます。実際、これらの指導者は(複数の)大陸を動かすことができるのです」と意気込みを語った。理事候補の第二陣については、数週間後に発表される予定だという。
今回、理事候補に指名された16人は下記の通り(敬称略)。このうち、米国の3人はそれぞれメガチャーチ(礼拝出席者数2千人以上)の牧師を務めており、CCLを立ち上げたロドリゲス、ムーア両氏と共に、ドナルド・トランプ大統領の非公式な霊的相談役も担っているとされている。
- ジャック・グラハム:米国、プレストンウッド・バプテスト教会
- グレッグ・ローリー:米国、ハーベスト・クリスチャン・フェローシップ
- ジェンテズン・フランクリン:米国、フリーチャペル
- アト・ボショフ:南アフリカ、クリスチャン・リバイバル教会
- ティアゴ・ブルネット:ブラジル、カーサ・デ・デスティノ教会
- ジョセフ・ドゥソウザ:インド、インド良き羊飼い教会
- ラッセル・エバンス:オーストラリア、プラネット・シェイカーズ教会
- レオン・フォンテーヌ:カナダ、スプリングス教会
- フェルミン・ガルシア:メキシコ、クリスチャン・ユナイテッド教会
- セルジオ・ホーナング:ペルー、生ける水クリスチャン・コミュニティー教会
- デイビッド・イングマン:エクアドル、フェイス・コミュニティー教会
- J・ジョン:英国、伝道者
- キャッシュ・ルナ:グアテマラ、神の家教会
- ピーター・モートロック:ニュージーランド、シティー・インパクト教会
- ジョン・ミルトン・ロドリゲス:コロンビア、諸国への平和の宣教教会
- ワンダ・ロロン:プエルトリコ、古き道教会
ムーア氏によると、上記の教会指導者らは公式にはまだ「候補者」であり、最初の会合で行われる投票により正式に選出されるが、実質的にはすでに理事と認識してよいという。
ニューシーズン教会(カリフォルニア州)の牧師でもあるロドリゲス氏は、声明で次のように語った。
「候補者の方々の影響力を推し量ることは本当に不可能です。一言で言うなら、これらの指導者の方々は単に著名な牧師というだけでなく、各国のキリスト教共同体をはるかに超えた影響力を持つリーダーです。これはCCLの使命を結集させるエネルギーの現れであり、神から与えられた目下のビジョンでもあります」
CCLの形成は、特に中南米における教会の働きが過去50年間で急成長したことに端を発している。
世界を巡り、迫害下にあるさまざまな教会指導者や信者と対話してきたムーア氏は、5月の発足発表時、CCLの願いは成長しているそれぞれ個別の教会に対して「対等の立場の支援組織」として協力することだと述べている。
「世界中の多くの教会が急成長しているのは事実です。成長している教会は、信じ難いほど多様です。世界には巨大で大規模な教会や働きを担っている牧師たちがいます。ある牧師は5、6年で急成長を成し遂げ、ある牧師は10年くらいです。これらの指導者のほとんどはまったく単独で働きをしており、協力することだけを目的とした対等の立場の支援組織がありません」
ロドリゲス、ムーアの両氏は米国福音同盟(NAE)の理事を務めており、ムーア氏は、CCLがNAEや世界福音同盟(WEA)に加盟する見通しだと述べている。
「NAEやWEAはいずれも素晴らしい団体であり、CCLがその代りの組織となるものではありませんし、これらのどれとも競合するものではありません。私たちの願いは、自分たちが受けた依頼や召命に応じてこれらの団体と協力することです。またCCLは、福音派だけのためにあるのではありません。これは極めて重要なことです」