100年に一度の歌姫といわれながらも、2012年に48歳で急死したホイットニー・ヒューストンさんの聖書が5日、9万5千ドル(約1040万円)で売りに出された。
ヒューストンさんの聖書が売りに出されたのは、著名人のサインや私物などを売買するサイト「モーメンツ・イン・タイム」。ヒューストンさんが、2012年2月に亡くなる数カ月前の11年末まで住んでいたという米ロサンゼルス郊外のニューボートビーチの住居で見つかった。
売りに出したのは、ヒューストンさんが数年住んでいたその住居を、1992年から2012年まで所有していた人物。聖書はヒューストンさんが退去した後、屋外にあったゴミ箱の脇に置いてあった小さな箱の中から見つかった。箱の中には聖書の他に、衣服数着とCD1枚、ペーパーバックの本数冊が入っていたという。
その人物は、住居の管理を任せていた会社に問い合わせ、ヒューストンさんの代理人に確認したが「欲しければ、お持ちください」と言われたため、聖書を取っておいた。「秘密保持契約であったため、ヒューストンさんには一度も連絡したことはありません。興味を持った聖書以外はすべて捨ててしまいました」と話している。
聖書には、1992年に結婚したR&B歌手ボビー・ブラウンさん(2006年に離婚)との挙式場所や、2015年に22歳で亡くなった愛娘ボビー・クリスティーナさんの誕生日などが手書きで記されている。
モーメンツ・イン・タイムに掲載された聖書の写真によると、ヒューストンさんが所有していたのは米ティンダルハウス出版の『ライフアプリケーション・スタディバイブル』(ニュー・リビング訳=NLT版、英語)。出版社のホームページによると、販売部数100万冊を超える今日最も読まれているスタディバイブルだという。
ヒューストンさんはバプテスト派のクリスチャンとして育てられ、幼い頃からニューアークにあるニューホープ・バプテスト教会の子ども聖歌隊に所属。11歳にはソリストとして歌っている。またピアノを最初に学んだのも同教会だった。
ヒューストンさんの実母は、グラミー賞を2度受賞しているゴスペル歌手のシシー・ヒューストンさん。シシーさんは現在84歳だが、まだ現役歌手として活動している。先月にはニューヨーク郊外のニューアーク(ニュージャージー州)で開催された米東部最大のゴスペルイベント「マクドナルド・ゴスペルフェスト」にも出演し、その歌声を披露した(関連記事:ノンクリスチャンがゴスペルを歌う意味を再確認 ニューヨークの大舞台で初の日本語賛美も)。