「近くの教会を教えて」「食前のお祈りをお願い」。英国では、こんな要求にもスマートスピーカーがすぐに答えてくれるという。
英公共放送BCC(英語)によると、英国国教会は、米アマゾン社が開発した音声認識AI(人工知能)アシスタント「アレクサ(Alexa)」を使い、人々の祈りや教会探しを支援している。
「アレクサ、今日の天気は?」「アレクサ、部屋の電気を消して」などと、「アレクサ」と話し掛けるだけで、さまざまな操作を実行できる米アマゾン社のスマートスピーカー「エコー(Echo)」。アレクサは、エコーなどのデバイスに導入されているAIアシスタントで、人の声を認識してその命令を実行する、いわば召使いのような存在だ。
BBCによると、アレクサがその日の祈りを朗読したり、近くの教会を教えてくれたりする機能は、英国国教会が推進するオンライン事業の一環。同教会の取り組みにより、アレクサには新たに、教会に関わる30以上の機能が追加された。
アレクサに「今日のお祈り」「十戒」「主の祈り」「食前の祈り」などをお願いすると、それを朗読してくれる。また「神はどういう存在?」「神を信じるとはどういうこと?」といった質問にも答えられるようになっているという。
昨年のデータによると、英国国教会は毎月約120万人にインターネットを介して何らかの接触をしているが、毎週の礼拝参加者は2006年と比べ、14パーセントも減少した。同教会は、アレクサが近くの教会を教えてくれることで、人々が地元の教会を探すのを助け、礼拝参加者の増加につなげたいと考えている。
同教会は、こうした先端技術の導入には積極的だ。昨年夏には、カードやスマートフォンをかざすだけで決済できる非接触型端末を40教会で試験導入。今年3月には1万6千以上の教会で導入する計画を発表した。献金プレートを回す従来の方法に代わりに、その場でクレジットカードや電子マネーで献金できる。教会で行われる結婚式や幼児洗礼式などでも使用する考えで、現金を持ち歩かない若者の利用を狙っているという。