イスラエルの考古学者らは20日、デジタルイメージング技術により、炭化した約1500年前の羊皮紙に書かれた聖書の文章を識別できたと発表した。聖書考古学上最も重要な発見の一つであるといわれてきた死海文書の発見(1947年)以来の重大な出来事だという。イスラエル博物館では同日、最新の技術でよみがえった古代ヘブライ語で書かれた聖書の文章の一節がスクリーンに映し出された。ロイター通信などが伝えた。
文章が識別できたという炭化した羊皮紙の巻物は、死海文書が発見されたイスラエル南東部クムランの洞窟から南へ約40キロのエンゲディで、1970年に発見された。エンゲディは、死海の西岸にある観光都市で、旧約聖書の歴代誌下20章2節にも登場する。
イスラエル博物館は、首都エルサレムにある国立博物館で、館内には死海写本館があり、死海文書が所蔵・展示されている。死海文書は日本でも、2001年に東京オペラシティ(東京都新宿区)で開催された東京大聖書展で断片が公開されている。