米グーグル社は、同社が開発したスマートスピーカー「グーグルホーム」が、イエス・キリストに関する質問に答えられるよう設計されていなかったことを受け、ブッダやムハンマドなど、他の宗教的人物に関する質問にも答えないよう、回答プログラムを一時的に変更したと発表した。
グーグルホームは、イエス・キリストや神に関する質問にはまったく答えられなかった反面、ブッダやムハンマド、サタンに関しては情報提供するようプログラムされていた。そのことが先月25日、SNS上で問題視されるようになり、キリスト教に対する偏見だとする非難の声まで起こるようになった。これを受け、同社は翌26日、ツイッターで次の声明(英語)を発表した。
「グーグルアシスタント(グーグルホームの人工知能)が、『イエスは誰?』『イエス・キリストは誰?』といった質問に応答しなかった理由は、(キリスト教に対する)軽視ではなく、むしろ配慮から来たものです。グーグルアシスタントの応答の一部はウェブ上の情報から来ますが、特定のトピックスについては、荒らしやスパムに対してより脆弱な面があります。
私たちのシステムがそのような状況を検出した場合、グーグルアシスタントは応答しない可能性があります。他の宗教指導者を含む別の質問で同様の脆弱性が検出された場合も、グーグルアシスタントは応答しないでしょう。私たちは現在、さまざまな解決方法を模索しており、一時的にグーグルアシスタントが宗教的人物に関して回答できないようにしています」
米アマゾン社のスマートスピーカー「アマゾンエコー」も昨年、イエス・キリストについて「架空の人物」などと答えたことで、一時批判されたことがある。
米公共ラジオ局NPRと米エジソンリサーチ社の調査(英語)によると、米国では現在、成人6人に1人(約3900万人)が、グーグルホームやアマゾンエコーのような音声起動型スマートスピーカーを所有しているという。