南スーダンのキリスト教系大学で少なくとも10人が殺害される事件が発生した。
キリスト教迫害監視団「英国オープン・ドアーズ」(英語)によると、同国南部のイェイ川州ゴリにある「エマニュエル・クリスチャン・カレッジ」(ECC)が14日、襲撃された。殺害されたのは子ども5人(小学生4人と中学生1人)と警備員3人、同地域に避難していた父親と息子の合わせて10人。殺害された子どもたち5人は、同大の敷地内に併設されていた小・中学校「エマニュエル・クリスチャン・アカデミー」(ECA)の生徒だった。
この他、同大職員の娘(14)が襲撃者らに性的暴行を受け、校舎内の事務室や教室、宿泊施設が物色され、荒らされていた。詳細は不明だが、目撃者はスーダン人民解放軍(SPLA)の犯行だと話しているという。
同大はスーダン福音長老教会との提携の下、英国オープン・ドアーズが設立した訓練施設。運営は州当局との協力で行われていた。
「子どもを含む無実の人々が襲われ、本当に悲しい日です。(事件現場となった)施設は、民族的に多様性のある環境における福音宣教で国際的に評価を受けていました」と、英国オープン・ドアーズでサブサハラ(アフリカのサハラ砂漠以南)の責任者を務めるJP・プレトリアス氏は述べた。
「私たちは命を奪われたすべての犠牲者に哀悼の意を表します。また私たちの心は、性的暴行を受けたり、暴力や略奪を目の当たりにされたりした方々と共にあります」
「私たちは世界中のキリスト教会にお願いします。ECCの職員と南スーダンの教会のためにお祈りください。また、教会の尽力により南スーダンにおける敵対行為に終止符が打たれ、南スーダン政府の迅速な行動により加害者が裁判に掛けられることを求めます」
英国オープン・ドアーズはまだ内戦が激しかった1996年、現在の南スーダン(当時はスーダン)に小さな神学訓練施設を開設。それ以降、同国で数千人のキリスト教指導者を訓練し続けている。